2013年10月15日 06:00 公開

長身で痩せ形の男性は注意! 肺がしぼむ自然気胸

胸痛や呼吸が苦しくなる

 気胸とは、肺に穴が開いて空気が漏れる状態。胸痛や呼吸が苦しくなるなどの症状が見られる病気で、軽症なら治療しなくても治ることもあるが、まれに命に関わる場合があるので注意が必要だ。けが以外の理由で起こる自然気胸について、埼玉医科大学国際医療センター呼吸器外科の金子公一教授に聞いた。長身で痩せ形の男性は注意が必要だという。

16~30歳に多い

 肺は胸腔(きょうくう)という、大気圧より低い、陰圧の状態で密封された空間に収まっている。息を吸うとき意識することはないが、胸腔と腹腔(ふくくう)の境にある横隔膜が下がり、胸腔が広がる。すると、胸腔内はさらに陰圧がかかって肺が膨らみ、気管から空気が入ってくる。肺に少しでも穴が開いていると、空気は肺の外側の胸腔内に漏れて膨らまない。これが気胸だ。

 金子教授によると、外傷以外の原因で起こる原発性の自然気胸は16~30歳の男性に多く、女性は男性の8分の1ほどという。特に、長身で痩せ形の人が突然胸痛を感じたり呼吸が苦しくなったりしたら、自然気胸の可能性がある。

 若い人の場合、肺のてっぺんにできた肺嚢胞(のうほう)と呼ばれる、小さな膨らみが破れて気胸が起こることが多い。肺の表面は胸膜と呼ばれる薄くて頑丈な膜で覆われているが、部分的にさらに薄い所があると嚢胞ができやすくなる。

再発繰り返せば手術

 穴がごく小さければ、肺が完全にしぼむことはなく、自然に穴はふさがっていく。「胸腔の内側の壁は肺の表面の膜と同じ構造の膜に覆われていて、肺から漏れ出た空気はゆっくり吸収され、胸腔内は再び陰圧になります」と金子教授は説明する。

 気胸の診断はレントゲンで肺の状態を確認して行われるが、1回の撮影では撮影時点で肺が膨らみつつあるのかしぼみつつあるのか判断が難しく、2回の撮影で判断することが必要。

 治療は、肺の外側の胸腔内の空気を抜いてしぼんだ肺を膨らませる方法が一般的だが、再発する可能性は50%以上と高い。胸腔内の空気を抜いても肺が膨らまなかったり、再発を繰り返したりするようであれば、手術が行われる。

 金子教授は「気胸は症状が軽いからといって必ずしも病状も軽いわけではなく、放置すると致死的な状態に陥ることがあります。異常を感じたらすぐ呼吸器外科を受診することを勧めます」と助言している。

(編集部)

2012年10月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)