2013年10月21日 06:00 公開

唾液が詰まる唾石症、食事時に顎の下辺りが痛む

マッサージで治ることも

 食事をするとき、顎の下辺りが腫れて痛みが出るようだと「唾石(だせき)症」という病気のことがある。「唾液腺で作られた唾液が管の中で詰まることで起こります。早めの検査と治療を」と、杏林大学医学部(東京都)耳鼻咽喉科の横井秀格准教授は勧める。

唾液が石灰化

 唾液は口の中を湿らせ、食べた物をのみ込みやすくしたり、消化を助けたりするほか、殺菌作用で口の中の清潔維持や虫歯防止など健康促進に役立っている。

 唾液は耳の下や顎、舌の下になどにある耳下腺や顎下腺、舌下腺などの唾液腺で作られ、それぞれの管を通して口の中の開口部に流れ出る。ところが、それらの部分に石灰化が生じて管が詰まり、唾液の流れが滞ると唾石症になる。原因は唾液腺が細菌感染により炎症を起こしたり、唾液の性質が変化したりして唾液中の石灰塩が固まることなどによる。

 唾液腺の中で最も唾石ができやすい部分は顎下腺とそれにつながる管。その管は、顎下部から口腔(こうくう)底を通り舌下部の中央の出口に達し、長さが5~6センチと長い。しかも作られる唾液が濃いため詰まりやすい。唾石ができる場所は3つ。顎下腺内と、管への出口につながる移行部と、管の中だ。場所によって治療法が異なる。

手術が必要なことも

 場所や大きさなどはCT(コンピューター断層撮影)検査で確認できる。

 「管の中間にできる唾石に対しては、顎下腺から管に沿って手の指でマッサージを朝夕5分間ほど続けると唾石が取れることがあります」と横井准教授。マッサージによって唾石が開口部に移動して、口の中にポロリと出てくることがあるという。マッサージでは効果が見られないときは、口の中の管を切開して唾石を取り除く。

 ところが唾石が顎下腺内にできた場合は、口の中では手術ができないため、顎下腺の辺りの首の皮膚を切開して顎下腺と唾石を共に摘出する。全身麻酔で手術は約1時間、1週間ほどの入院が必要となる。

 「食事後の口のすすぎ、歯磨きなど日ごろから口の中の清潔を心掛けてください。また、顎下腺や管のマッサージは予防にも役立ちます」と横井准教授は助言している。

(編集部)

2012年9月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)