2013年10月28日 06:00 公開

白目が赤くなる「結膜下出血」、ほとんどは心配なし

冷やしたり温めたりしないで

 朝起きて鏡を見たら、白目が赤くなっていた。人から言われて白目が赤いのに気付いた―。びっくりし、そして心配にもなる。ただ、「ほとんどは結膜下出血という症状で、問題ありません」と、東京歯科大学市川総合病院(千葉県)眼科の島崎潤部長(教授)は助言する。

見え方は正常

 目の表面は、黒目の部分が角膜、白目の部分は強膜という膜で覆われている。白目の部分は、強膜の上にさらに透明の結膜という膜が覆っている。結膜には多数の毛細血管が走っており、何らかの原因で破れると結膜の下に出血が広がる。これが結膜下出血だ。

 出血によって目の異物感や違和感を持つ場合もあるが、見え方は正常。いわゆる充血は血管が拡張した状態のことで、血管がはっきりと見てとれる。それに対し、結膜下出血では血管は分からず、赤みが広がっているだけだ。

結膜弛緩症が原因のことも

 勘違いしやすいのは眼底出血で、これは肉眼では出血している状態は見えない。網膜や硝子体という組織から出血しており、視力に影響を及ぼす可能性がある重大な症状。結膜下出血の原因は明らかでないことが多い。ただ、動脈硬化がある、血圧や血糖値が高い、血液をサラサラにする抗血液凝固薬を服用している―などの人が起こしやすい。

 島崎部長は「高齢者で出血を繰り返す人は、結膜弛緩(しかん)症が原因のことがある」と言う。結膜弛緩症とは、加齢により結膜と強膜の接着が緩んで結膜がたるんだ状態をいい、眼球やまぶたの動きなどで血管が破れることがある。慢性的な目の不快感の原因でもあり、たるみを伸ばす手術も行われている。

 結膜下出血なら放置しておいても2~3日から2週間程度で吸収され、何の症状も残さない。

 島崎部長は「交通事故や打撲などが原因の場合、強膜の裂傷を起こしている可能性もあり、直ちに眼科を受診してください。また、赤くなったからといって、冷やしたり温めたりこすったりしないこと。かえって出血を広げることがあります。背景となっている生活習慣病をコントロールすることが予防になります」と助言している。

(編集部)

2012年10月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)