2013年11月05日 10:30 公開

学校での食物アレルギーに初の指針―米当局

リスク管理や緊急時の対応を案内

学校での食物アレルギーガイドライン<br/ >
(CDC公式サイトより)
学校での食物アレルギーガイドライン
(CDC公式サイトより)

 学校給食での食物アレルギー事例が多発しており、2012年末には東京都調布市で死亡事故が発生した。こうした悲劇を繰り返さないためにも、理解を深めるとともに予防法や対処法が記されている手引きが必要だ。米国の健康・安全管理当局である疾病対策センター(CDC)は10月30日、学校での子供の食物アレルギーに関するガイドライン(指針)を発表した。国家レベルでの食物アレルギーガイドラインを発行するのは初めてという。州や学区単位で独自の指針はあるものの、食物アレルギーのリスク管理や緊急時の対応に関しては不十分な点が多く、総合的な枠組みを示す必要があったと説明している。

9割の学校に1人以上の食物アレルギー児が在籍

 米国では毎年、食べ物が原因で国民の6人に1人に相当する約4,800万人が病気になり、12万8,000人が入院、3,000人が死亡しているとの試算もある。またガイドラインによると、全米の子供の4~6%に食物アレルギーがあり、その数は1990年代後半に比べ18%増加しているほか、全米の88%の学校に食物アレルギーの子供が1人以上在籍している状態だという。

 さらに、食物アレルギーの子供の16~18%が学校でアレルギーの原因となる食品をうっかり食べてしまい、アレルギー反応を起こした経験があることや、学校で報告されたアナフィラキシーなど重篤なアレルギー反応の4人に1人はそれまで食物アレルギーの診断を受けたことがない子供によるものとのデータなども紹介されている。

 CDCの上級官庁である米国保健福祉省(HHS)のKathleen Sebelius長官は「食物アレルギーの治療法はないが、保護者や家族が直接ケアできない教育現場では、学校関係者が子供を食物アレルギーから守る具体的な行動を取ることができる」と、関係者に積極的な取り組みを呼び掛けている。

スクールバス運転手などにも対応求める

 ガイドラインでは、全ての子供たちに食物アレルギーに関する教育が必要との見解が示されているほか、教員や学校医、担当看護師、栄養士ばかりでなく、スクールバスの運転手や施設保守の関係者に求められる役割も記載されている。

 また全ての関係者に対し、アナフィラキシーなどの緊急時は自己注射用アドレナリン(商品名エピペン)を注射すること、日常の予防行動の一つとして食事の前後には手を洗うよう子供に声を掛けることが共通して推奨されている。さらに、体育の授業や休み時間に食物アレルギーの子供を特別扱いしないことや、差別やいじめに対する学校の規則を強化するなどの取り組みも求めている。

子供の訴えも早期発見に役立つ? 食物アレルギーの表現一覧

 一般的にアナフィラキシーが疑われる場合の症状として嘔吐(おうと)や嗄声(させい=声がれ)、呼吸困難、意識障害、唇・爪の色調変化などが挙げられているが、CDCは今回のガイドライン発表と同時に食物アレルギーが疑われる場合、子供がどんな表現で症状を訴えることがあるかを例示。子供目線での表現を知っておくことも、発症早期での発見につながるかもしれない。

  • 舌を何かでつつかれているような気がする
  • 舌(唇)がヒリヒリ(チクチク、ジンジン)する
  • 舌(唇)が痒い
  • 舌に毛が生えたような感じがする
  • 口が変な感じ
  • 喉にカエルがいる、喉に何か詰まっている
  • 舌が腫れている(重い)
  • 唇がきゅっとなった感じ
  • 虫が中にいるような気がする(耳のかゆさを表していることがある)
  • 喉に何か詰まっている(うっとうしい)感じ
  • 舌の奥(喉)にこぶがあるように感じる

(編集部)

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