2013年12月02日 17:30 公開

東MAXや鈴木サチさんら「アナフィラキシー、もっと知って」

年間数十人が死亡、イベントで対処法などを伝授

左から司会の中西モナさん、小池医師、<br>
鈴木さん、東さん
左から司会の中西モナさん、小池医師、
鈴木さん、東さん

 2012年末、東京都調布市の小学校で女子児童が給食の時間に重度のアレルギー(アナフィラキシー)を起こし、死亡するという痛ましい事故が起きた。この事故についてテレビや新聞などのメディアで盛んに報道されたため、食物アレルギーに対する注目が高まったが、依然としてアナフィラキシーや対処法についての認知度は低い。年間に数十人がアナフィラキシーで死亡しており、認知度を高めることが急務だ。11月29日、東京都内でアナフィラキシーの啓発トークイベント(主催=ファイザー)が開催され、小児アレルギーが専門の小池由美医師(国立病院機構相模原病院=神奈川県=)と、自身や子供が食物アレルギーと診断された経験を持つタレントの東MAXこと東貴博さん、モデルの鈴木サチさんが出席。食物アレルギーやアナフィラキシーについてもっと知って欲しいと呼び掛けた。

年間5,000~6,000件の「アナフィラキシーショック」

 アナフィラキシーとは、飲食などでアレルギーの原因物質(アレルゲン)に触れた後、数分から数時間のうちに複数の内臓や全身に現れる激しい急性のアレルギー反応のこと。血圧の低下や意識障害まで進んでショック状態となる「アナフィラキシーショック」が起こると、迅速な対応や治療をしなければ命に危険が及ぶこともある。

 国内のアナフィラキシーショックは年間5,000~6,000件、アナフィラキシーによる死亡も年間40~70件報告されている。厚生労働省の調査によると、最も多いのは、薬によるアナフィラキシーで、次いでスズメバチ、ジガバチ、ミツバチ。詳しい原因が不明なケースが多いものの、食べ物が原因と断定できる死亡事故も毎年4~5件発生している。

 食べ物によるアナフィラキシーの原因で多いのは卵、乳製品、小麦が挙げられる。発症年齢は乳児期がピーク。鈴木さんの長女もこれに当てはまる(記事下部参照)。その後、徐々に減っていくが、小学生の時点や大人になってから突然発症することも。3年前にモモを食べて突然発症したという東さんは、まさにこのケースだ()。

 症状で最も多いのは、じんましんや紅斑(皮膚の表面が赤くなること)など皮膚の症状で、唇や舌、口の中の腫れなど粘膜の症状、息切れやせき、呼吸がゼーゼー、ヒューヒューする喘鳴(ぜんめい)といった呼吸器の症状、おなかの強い痛みや嘔吐(おうと)などの消化器症状、血圧の低下や倒れる、失禁といったショック状態を起こすこともある。これらのうち2つ以上の症状がある場合アナフィラキシー、ショック状態を合併していればアナフィラキシーショックと見なされる。

「皮膚のかゆみとせきがあればすぐ受診して」

 しかし、民間の調査会社が1,600人を対象に行った調査では、食物アレルギーと診断された幼児を持つ母親を含んでいるにもかかわらず、「アナフィラキシーは誰でもなる可能性がある」と答えたのは約半数、「毎年数十人がアナフィラキシーで死亡している」ことを知っていたのは23%にとどまった。

 さらに、食物アレルギーの子供を持つ母親だけに限定しても、強いアレルギー症状が2つ以上出ていてもアナフィラキシーなどを疑わない、あるいは分からないと答えた人の割合が半数を超えていた。

 子供や自分のアレルギー症状がアナフィラキシーなのか、実際に受診すべき症状かを判断するポイントはあるのか。小池医師は「例えば、皮膚のかゆみだけだと命に関わることは少ないが、せきなど呼吸器に関連した症状が出たり、ぐったりしたりといった場合は危険な兆候。すぐ病院を受診すべき」と話す。

症状繰り返すなら軽症でも医師に相談を

 病院を受診するといっても、それまでに症状が進行してしまうことがある。それを和らげるのが、自己注射用アドレナリン(商品名エピペン)だ。日本でも2011年から健康保険が使えるようになったものの、一般への普及はあまり進んでいないという。

 ファイザーなどによると、食物アレルギーの子を持つ母親のエピペンに対する認知度は昨年の28.6%から今年は56.4%まで増加したが、エピペンが保険適用となったことを知っている人は30%程度、携帯している人はわずか15%で、「小学校や保育所、幼稚園に預けている」と答えた人は8%だった。

 携帯率が少ない理由について、小池医師は「医師に相談していない人が多いのではないか」と推測する。「食物アレルギーを起こしているうちに、自分の症状が分かったような気がして"こういう時にはアレルギーを予防する薬を飲んでおこう"と判断できる人もいるかもしれないが、アナフィラキシーが起こらないとは限らない。症状を繰り返すことがあれば、軽いと思っても医師に一度相談を」と呼び掛けた。

東MAX、鈴木サチさんが語った「食物アレルギーは大変!」エピソード

 トークショーでは、3年前に突然、大好きなモモを食べた後にひどいアレルギーを起こしたという東さんが「ドラマの仕事中だったため、撮影が引きの絵(カメラを後ろへ下げて撮影すること)だけになってしまったんです。顔写真、こういう時のために撮っておくものですね」と、当時のつらそうな写真を示しながらも、笑いを交えエピソードを披露。強い症状だったため、「今では、モモを見ても食べたいと思わなくなりました」。同じバラ科のリンゴやナシも体が受け付けなくなったと語った。

 「母乳育児中から、自分が卵をたくさん食べた時に子供がアレルギー症状を起こし、定期的に血液検査をしていました。最初は卵だけだったけど、今はピーナツなどにも反応があります」と鈴木さん。長女はまだ3歳のため、いつどこで食べ物を間違って口に入れないか緊張することも多いようだ。時には、食べたものの表示を見ようとゴミ箱を探ることもあるという。また「処方薬だから大丈夫だろう、と飲ませるたびに毎回嘔吐。注意書きをよく見たら、卵アレルギーについて書いてあって驚いたことも」と、家族の食物アレルギーへの対応の難しさが垣間見えるエピソードも紹介。今は、かかりつけ医と相談し、エピペンを携帯している。「周囲からは"食べさせないのが一番"と言われるが、いつ何があるか分からない。エピペンを持ち歩けると安心」と話した。

(編集部)

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