2013年12月03日 10:30 公開

サプリがエイズに効果、免疫機能の低下を抑制―米報告

アフリカ・ボツワナの患者が対象

 サプリメント(栄養補助食品)がエイズに効果―。12月1日の「世界エイズデー」(関連記事)を前にした11月27日、そんなニュースが米国から飛び込んできた。米フロリダ国際大学公衆衛生・社会事業学部のMarianna K. Baum氏らは、HIV(エイズウイルス)に感染したもののエイズを発症しておらず、治療も受けていないアフリカ・ボツワナ人の患者を対象に日本でもおなじみのサプリメントを飲ませたところ、つまり免疫機能の低下が抑えられ、病気の進行も抑制されたと、同日発行の米医学雑誌「JAMA」(2013; 310: 2154-2163)に報告した。果たして、そのサプリメントとは?

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薬を手に入れにくい環境で検討

 HIVへの感染が認められたら、早い段階で抗レトロウイルス療法(ART)という複数の薬による治療を受けることが推奨されている。しかし、15~49歳のHIV感染率が世界で最も高い国の一つとされるボツワナでは医療資源が限られており、抗レトロウイルス薬が手に入りにくいという。

 HIVに感染すると初期段階からビタミンやミネラルが欠乏状態になるが、それに対してサプリメントが有効に働くとの報告がある。これを踏まえ、Baum氏らは2004年12月~09年7月、ボツワナ・プリンセス・マリーナ病院でHIV感染が認められ、免疫細胞として知られるCD4細胞が血液1マイクロリットル当たり350個以上あった大人878人を対象に検討を行った。

 878人は、下記の4つのグループにランダムに分類し、24カ月(2年)後にCD4細胞の数などを調べた。

  1. マルチビタミン群(219人)
  2. セレン群(216人)
  3. マルチビタミン+セレン群(220人)
  4. プラセボ(偽薬)群(217人)

 なお、マルチビタミンの内訳(1日量)はビタミンC 500ミリグラム、ビタミンE 30ミリグラム、ビタミンB6 25ミリグラム、ビタミンB12 50マイクログラム、葉酸800マイクログラム、チアミン20ミリグラム、リボフラビン20ミリグラム、ナイアシン100ミリグラム。セレンは1日200マイクログラムとした。対象者は期間中も抗レトロウイルス療法を受けなかったという。

マルチビタミン+セレンでのみ効果

 2年後のCD4細胞の数を調べた結果、マルチビタミン+セレン群でのみ、対照群に比べてCD4細胞数の減少が顕著に抑制され、免疫機能の低下が抑えられていたことが示された。また、エイズの進行もマルチビタミン+セレン群でのみ抑制効果が認められた。

 マルチビタミンやセレンだけでは効果が示されなかったことから、Baum氏らは併用することの重要性を指摘するとともに、HIVに感染したら早い段階でサプリメントを取ることで、HIVの治療に効果が期待できると強調した。今後は、抗レトロウイルス療法を受けている患者でもサプリメントの効果があるのかについても検証したいと述べている。

(松浦 庸夫)

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