2013年12月16日 06:00 公開

高齢者の夜間頻尿、多くは「水分取り過ぎ」が原因

夕方の散歩もお勧め

 夜中に何回もトイレに行くなど、高齢者の悩みの一つに夜間頻尿がある。そのためによく眠れないなどの訴えもあるが、どうやら多くは水分の取り過ぎが原因になっているようだ。京都大学大学院医学研究科泌尿器科の吉村耕治准教授は「健康な人なら、食事以外で飲んでいる水分を減らせば治る場合も多い」と指摘する。解決には、夕方の散歩などがお勧めだという。

年齢とともに小さくなる膀胱

 高齢者に夜間頻尿が多いのは、加齢とともに膀胱(ぼうこう)の容量が徐々に小さくなる、尿が作られる時間帯が夜間の就寝時に移動する、眠りが浅い、夜早い時間に床に就くので就寝時間が長くなる―など、複数の要因が重なっているためといわれている。

 「睡眠が中断され、日中に眠くなって困るとの訴えがあります。1回で困っている人もいるし、回数に関係なく、若い頃は夜中にトイレに行くことはなかったと悩んでいる人もいます」と吉村准教授。

 治療は、まず、何時何分に尿がどれだけ出たかを通常3日間(72時間)記録する。成人の1日の尿量は平均1.5リットル。70歳代では1リットルも出れば十分。ところが、記録を見ると3~4リットルの人も多いという。

水分は1日3回の食事で十分

 「高齢者は喉の渇きを感じにくいという意識があり、脱水症状や夏では暑さを怖がって水分を過剰に取っている傾向が見られます。結果として、日中や夜間のトイレの回数が多くなるのは自然なことです」(吉村准教授)

 食事以外から摂取する1日に必要な水分量は体重の2~2.5%。夏以外では、1日3度の食事をしっかり食べていれば過度に水分を補う必要はないという。1日の尿量が多い人ほど生活指導だけで改善する率が高い。

 夕方の散歩も効果がある。下半身にたまった水分を歩行により循環させ、眠るまでに尿を作って出してしまうわけだ。適度な運動は睡眠を深める効果もある。

 吉村准教授は「水分摂取量が多いほど脳梗塞や心筋梗塞の予防になるといわれていますが、裏付ける研究はあまりありません。それよりも夜間にトイレに行く回数が増えれば転倒や骨折などの危険性も高まるので、それを予防する方が大切です」と助言している。

(編集部)

2013年1月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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