2013年12月17日 10:30 公開

花粉症患者は注意! 豆乳で重度アレルギーの恐れ

国民生活センター

 国民生活センターは12月5日、カバノキ科の花粉に反応する花粉症患者が豆乳を飲むと、皮膚や粘膜のかゆみ、じんましん、呼吸困難などのアレルギーを起こす恐れがあるとして、注意を呼びかけた。リンゴやモモを食べて喉がかゆくなる人も、豆乳でアレルギーを起こす可能性があるとしている。同センターに寄せられた報告の中には、豆腐や納豆などでアレルギーを起こしたことがない人、さらにはこれまで豆乳を飲んでいた人で、突然、重度のアレルギー症状(アナフィラキシー)を起こしたケースもあったという。

花粉症に伴って発症する「花粉食物アレルギー症候群」

 2008年以降、国民生活センターには豆乳などによるアレルギー症状の相談が約5年間で15件寄せられている。症状は皮膚や粘膜のかゆみ、赤み、腫れ、じんましん、呼吸困難などで、アナフィラキシーを起こして入院した人も。これまで豆乳を飲んでもアレルギーを起こしたことがない人も含まれていた。

 食物アレルギーの中でも、最近は特定の野菜や果物を食べて口の中や喉がかゆくなったり腫れたりしてしまう「口腔(こうくう)アレルギー症候群」の人が増えているという。豆乳による口腔アレルギー症候群は大人の女性に多く見られ、大部分が日本に広く分布するカバノキ科(シラカンバ、ハンノキなど)の花粉に反応する花粉症患者であること、豆腐などほかの大豆加工食品は安全に食べられるケースがあること、ほかの果物や野菜に対する口腔アレルギー症候群を合併することなどが知られている。

 口腔アレルギー症候群の中でも、花粉が原因(アレルゲン)のものを「花粉食物アレルギー症候群(PFASまたはPFS)」と呼んでいる。カバノキ科と大豆以外にも、

  • カバノキ科-リンゴやモモなどバラ科の果物、ピーナツ、アーモンド、クルミ、セロリなど
  • イネ科のカモガヤ-メロン、スイカ、トマトなど
  • キク科のブタクサ-メロン、スイカ、キュウリ、バナナなど
  • キク科のヨモギ-セロリ、ニンジン、パセリ、リンゴなど

―といった組み合わせが報告されている。

みそや納豆で症状が出ない理由とは

 花粉食物アレルギー症候群は、自分がアレルギーを起こす花粉のタンパク質(アレルゲン)と構造が似ているタンパク質を持つ野菜や果物を食べると、花粉アレルゲンに対する抗体がそれに反応し、口の中でアレルギーを起こすと考えられている。カバノキ科の花粉と大豆の場合は、それぞれに含まれているタンパク質「PR-10」と「Gly m4」の構造が似ているという。

 国立病院機構相模原病院(神奈川県)臨床研究センターの福冨友馬医師は、大豆に含まれているタンパク質は加熱や発酵で活動力が失われやすいことから、みそや納豆ではあまり症状が出ず、液体で加工の程度が低い豆乳で強いアレルギー症状が起こりやすいことと関連しているのではないかとの見方を示している。

 カバノキ科の花粉に含まれているPR-10と構造が似たタンパク質はリンゴ、モモ、サクランボ、ナシ、ビワなどのバラ科の果物にも含まれている。豆乳の花粉食物アレルギー症候群を起こした人の半数以上で、これらの果物への口腔アレルギーが確認されていると福冨医師。「リンゴやモモを食べると喉がかゆくなるようなアレルギー症状がある場合、豆乳などによるアレルギーの合併も多い」と述べている。

多く飲んだからといってアレルギーになりやすいわけではない

 福冨医師による豆乳などのアレルギーの注意点は以下の通り。

  • 重篤な場合、豆乳だけでなく、モヤシやエダマメ、豆腐で症状が出ることがある
  • 納豆やみそで症状が出ることは極めてまれ
  • 血液アレルギー検査で大豆は陰性の場合があるため、診断には豆乳などの関連が疑われる物質を用いた皮膚テスト(prick-to-prick test)で陽性を確認する必要がある
  • 血液アレルギー検査で、通常全ての患者がシラカンバやハンノキの花粉で陽性になる
  • カバノキ科花粉とスギ花粉が飛散する時期は重なっているが、スギ花粉症で大豆アレルギーになることはない
  • 豆乳を多く飲んだからといってアレルギーになりやすくなるわけではない
  • 豆乳などの大豆製品を症状なく食べている人が、今後も続けることは通常問題ない
  • ただし、カバノキ科花粉症や果物アレルギーがある人は、現在は症状が出なくても今後、新しく発症する危険性はほかの人よりも高いと考えられている

(編集部)

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