2014年01月08日 06:00 公開

気管支喘息の発作を予防する4カ条

「医師の指導のもと治療を継続する」「風邪にかからない」「掃除」「原因避ける」

こまめな掃除は重要な予防法の一つ
こまめな掃除は重要な予防法の一つ

 喘息(ぜんそく)では、発作が出るごとに気管支の内側の粘膜(内膜)の状態が悪化していき、やがて厚ぼったく腫れたまま元に戻らなくなってしまう。重症化させないためには、なるべく発作を起こさないようにすることが大切だ。新百合ヶ丘石田クリニックの石田雄一院長によれば、発作を予防するには(1)医師の指導のもと、薬物治療を継続することはもちろんだが、これ以外に(2)風邪にかからない、(3)こまめに掃除する、(4)喘息の原因を避ける―の3つが大切だという。

自分が喘息と気付いていない人も

 空気中に漂う家のほこりや排気ガスの成分、ダニの排泄物などの異物に対し、気管支の内膜が過敏に反応し、アレルギー性の炎症を起こすと喘息になる。基本的に喘息は体質に由来する病気だが、それとは気付かず大人になる人も多い。

走るなどの運動をするとすぐ息切れがしてぜいぜいし、「自分は運動が苦手だな」と思っている人、季節の変わり目にちょっとせきが出て、風邪が長引きやすい人―こんな人は、喘息を起こす体質であることに気付いていない可能性がある。大人になって突然、大発作を起こし、救急車で病院に運ばれたという話はあるが、よくよく聞くと小さい頃から喘息体質を示すエピソードを持っている人がほとんどだという。

 発作を予防するには、風邪をひかない、掃除を徹底してほこりを吸わないようにする、そして、『猫の毛のあるところではどうも息苦しい』『冷たい空気を吸うとせき込む』など、自分にとって喘息の状態が悪くなる条件を日頃からメモしておき、極力そうした危険な状況を避けることが大切。

 喘息があって風邪をひくと、風邪が長引きやすく、喘息も重症化しやすい。石田院長は、常日頃から「せきやくしゃみをしている人を見たら、3メートル離れなさい」と患者に話しているという。特に通勤電車や人混みでは、マスクの着用が望ましい(N95などの防塵マスクを着用すれば高い予防効果が期待できる)。

 インフルエンザの予防接種も重要。また65歳以上の高齢者では、5年に1度肺炎球菌ワクチンの接種が推奨される。さらに鼻水、鼻詰まりなどの鼻症状があれば、こちらもきちんと治療することが肝心だ。

週に数回は寝具のほこりを掃除機で吸い取って

 次に、徹底した掃除。近年は掃除の様式が西洋化し、床掃除は「雑巾がけ」に代わって掃除機を使うことが多い。しかし、掃除機の排気は床にたまったホコリを巻き上げてしまうので注意が必要だ。また、1日のうち6~8時間を過ごす寝室と寝具の衛生管理は特に重要になる。寝具カバー類はこまめに洗濯し、週に数回は掃除機で丁寧にほこりを吸い取るとよい。空気清浄機の使用も有効だ。

 発作を予防する薬としては、気管支拡張薬、吸入ステロイド薬、抗アレルギー薬などが使われる。炎症を抑える作用のある吸入ステロイド薬と気管支を広げる気管支拡張薬は喘息発作の治療薬でもある。一方、重症で吸入ステロイド薬が効かず、なかなか回復しない難治性の喘息には、喘息を起こす血液中のIgEという抗体そのものの働きを抑える抗IgE抗体を使った治療も開発されている。

発作はある程度予測できる

 今の喘息の状態を自分で知り、発作を予防するには、息を深く吸って一気にはき出す際の気流の速度(最大呼気流量:ピークフロー)をピークフローメーターという器具で1日2回朝と晩に測定する方法がある。喘息の状態が客観的に観察できるので、石田院長はピークフロー測定値結果を毎日日記につけるよう勧めている。器具はどれも片手で持てる手軽なもので、5,000円程度で購入できる。なかなか状態が良くならないときには、主治医と相談してみよう。

 ピークフローの数値が下がってきたら、喘息発作の前触れである可能性が高い。こんなときには前もって何らかの対処を行う必要がある。様子を見るのか、すぐに医療機関を受診するのか、薬剤はどの程度増やせばよいのか。ピークフローを測っていれば、ベストコンディションのときと比べてどの程度下がっているかを目安に、主治医が立てた具体的な指示(アクションプラン)を行うという方法がある。

 発作が起きても、軽いうちなら気管支拡張薬を吸入すれば治まる。しかし、喘息はいったん悪化すると短時間の間に重症化する危険もある。この方法で普段から自分の喘息について把握しておけば、悪化の兆しに備えることができるのだ。

(山口 茜)

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