2014年02月07日 10:30 公開

ピロリ菌の感染率が低下、70年代以降生まれでは10%台

愛知県がんセンター

 胃の中に潜み、胃炎や胃潰瘍、さらには胃がんまで引き起こすといわれるピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)。日本は先進国の中でも感染者の多いことが知られているが、愛知県がんセンター研究所などの調査で、若い人ではピロリ菌の感染率が顕著に下がっていることが分かった。1949年以前に生まれた人の感染率は4割を超えていたものの、55年以降生まれでは大幅に低下し、70年以降生まれでは10%台だったという。第24回日本疫学会学術総会で報告した同研究所の渡邉美貴氏は、胃がんにかかる割合の低下傾向は今後も続くと予測している。

40年代生まれが最も高い

 ピロリ菌は、井戸水、感染者の糞便、食べ物の口移しなどから感染するため、衛生環境の改善とともに感染率に差があることが予測されていた。しかし、ピロリ菌によって胃が萎縮すると、感染しているのに検査で抗体が感知できなくなる場合があり、正確な感染率を把握するのは難しかったという。

 そこで渡邉氏らは、2010年9月~13年3月に同センター中央病院を初めて受診した患者3,801人(男性2,058人、女性1,743人、平均年齢58.1歳)の検査結果から、出生年代別に感染率を算出。さらに、抗体が検知できないものの慢性胃炎あるの人を感染者と見なし、両者を合わせた感染率も割り出した。

 その結果、1930年代生まれ(485人)の感染率(抗体陽性率)は45.6%、40年代生まれ(1,287人)は46.0%と、いずれも40%台だった。一方、1950~80年代生まれの人では、後に生まれた世代ほど下がっており、1950年代生まれ(916人)は36.0%、60年代生まれ(665人)は24.8%、70年代生まれ(360人)は16.9%、80年代生まれ(88人)は13.6%だった。さらに、抗体が検知できないものの慢性胃炎あるの人を含めても同じ傾向が認められた。

 対象が同センター中央病院を受診した人に限られていたが、同院がある愛知県の衛生環境に特徴がないことから、国内のピロリ菌感染率の傾向を示していると渡邉氏。胃がんの罹患(りかん)率の低下傾向も、今後も続くことが予測されると述べた。

(編集部)

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