2014年02月10日 06:00 公開

脚の付け根が痛い! 股関節鏡手術で改善の可能性

スポーツ復帰例も

 脚の付け根が痛むのに、検査をしても異常が見つからない―。こうした原因不明の股関節痛が、股関節鏡手術で治療できるようになった。東京医科大学整形外科の山藤崇・医師は「痛みのためにできなくなったスポーツもまた楽しめるようになる可能性があります。諦めないで」と呼び掛ける。

股関節唇に傷

 これまで「異常がない股関節痛」などと片付けられていた痛みの原因が分かってきた。英語でフェモロアセタブラー・インピンジメント(FAI)といい、日本語にすれば「大腿骨寛骨臼(だいたいこつかんこつきゅう)の衝突」という意味だ。股関節を曲げたりねじったりする動きに伴って痛みが生じる。

 「初期の変形性股関節症と診断される中には、少なからずFAIが潜んでいるとみています」と山藤医師は話す。

 股関節は、先端の大腿骨頭の3分の2が寛骨臼に包み込まれるようになっている。寛骨臼のへりには、股関節唇が土手のように付いていて、大腿骨が外れないように支えている。大腿骨や寛骨臼の形に異常があって、スポーツなどで股関節を盛んに動かしたりすると、股関節唇が傷つく。FAIによる痛みはこうして起こることが多いという。

3日で退院も

 股関節は膝関節や肩関節に比べ体の深い位置にあり、スペースが狭いため関節鏡による治療は難しいといわれてきた。しかし、医療器具の改良や治療技術の進歩によって、股関節鏡手術が行えるようになってきた。

 手術は全身麻酔で行う。股関節の前と横を1センチ弱切って、そこから治療器具やカメラを入れる。カメラで股関節の中を確認しながら、傷ついた股関節唇を縫ったり骨の出っ張りを削ったりする。

 簡単な手術であれば3日ほどで退院できる。山藤医師が手術を行った患者は経過が良好で、サッカーやダンスなどの活動に復帰しているという。

 股関節鏡手術は、FAIのほか股関節唇損傷、変形性股関節症など股関節内に原因がある病気のほとんどに行える。

 山藤医師は「階段を上るときに脚の付け根が痛む、人工股関節を入れるにはまだ早いという人の中には、股関節鏡手術で痛みが取れる可能性もあります」と話している。

(編集部)

2013年1月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)