2014年02月17日 10:30 公開

1日1万歩で心も健康に! 不安やうつ症状が改善―東京大

 歩くことは体の健康に良いとされているが、心の健康にはどんな効果があるのだろうか。東京大学大学院教育学研究科の種市摂子氏(健康教育学)は、2月1~2日に東京都内で開かれた日本不安障害学会の学術大会で、1日1万歩のウオーキングを2カ月続けた人では不安やうつ症状が改善する可能性があると報告した。種市氏は、1日1万歩にこだわらず、各自に合った目標を設定して徐々に歩数を増やしていくなど、目標達成のコツも紹介している。

東京の某企業社員らを対象に調査

 種市氏らは、2012年に東京都に本社を置くある企業の社員とその妻を対象に、ウオーキングキャンペーンを実施。参加者179人(男性104人、女性75人)に歩数計を配布し、2カ月で60万歩(1日1万歩)達成を目標に据え、ウオーキング開始前と終了後で不安・うつ症状の自己評価(GHQ-12、低いほど状態が良い)を比べた。

 目標を達成したのは133人(男性77人、女性56人、達成率74%)。ウオーキング開始前後で不安・うつ症状の自己評価は、目標を達成した男性で2.25点から1.60点に、女性で2.26点から1.36点に改善。目標を達成できなかった人では、男女ともに変化が見られなかった。

 目標の達成には「ウオーキング開始前の運動習慣」「ウオーキング開始前の残業時間(月30時間未満)」が関連していたが、年齢や性別、ウオーキング開始前の不安・うつ症状の自己評価は影響していなかった。

女性では多過ぎると逆に不安・うつが上昇

 1日の歩数によって、1万歩未満、1万~1万2,000歩、1万2,000歩以上に分けて検討したところ、男性では歩けば歩くほど不安・うつ症状が改善。一方、女性では1万~1万2,000歩で不安・うつ症状が最も低く、1万2,000歩以上になるとむしろ上昇していた。

 なお、海外の研究では、20~30歳代の女性では、1日7,500歩未満の場合や、逆に仕事での運動時間が長い場合、うつ症状の傾向が高いとする報告があるという。

 種市氏は、ウオーキング開始前の不安・うつ症状が目標達成には影響していなかったことから、うつの傾向がある人でも、普段から運動を心がけ、1日1万歩を達成することで健康度が上がることが期待できるとした。

 その一方で、「1日1万歩には約1時間半かかり(1,000歩=約10分)、日頃から運動習慣がない人にとって、1日1万歩を2カ月続けることは難しい。不安・うつ症状の改善には、性別や運動習慣、仕事の状況(残業時間など)を考慮し、各自に合った目標歩数を設定して徐々に歩数を増やしていくことが有用だろう」と助言している。

(編集部)

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