2014年02月19日 06:00 公開

川遊びやペットなどから感染、風邪と似たレプトスピラ症

死亡することも

 発熱、悪寒、筋肉痛...典型的な風邪の症状だが、レプトスピラ症という感染症も似た症状が出る。大抵は感染したことに気づかずに回復するものの、重症になると腎不全などを起こし、死亡することもある怖い病気だ。原因はレプトスピラという細菌。すみ着いている動物から尿とともに排せつされ、農作業や川遊び、土木作業のほか、ペットの犬やネズミなどからも感染する恐れもあるという。

飲食店関係者も要注意

 レプトスピラ症は世界中で報告されており、日本でも昔から秋疫(あきやみ)、七日熱(なぬかやみ)、用水病、作州熱などと呼ばれてきた。重症化するとワイル病とも呼ばれている。

 原因となる細菌は、0.01ミリほどの大きさでらせん状のひものような形をしており、犬、牛、豚、ネズミ、イノシシなどの腎臓にすみ着いて増え、尿とともに排せつされる。その尿を含んだ土や水に触れたりすると、肌や口(粘膜)から侵入する。特に傷がある場合に感染しやすいようだ。水田作業や土木工事、下水道作業などに従事する人、飲食店関係者などは感染リスクが高いといわれている。

 国立感染症研究所(東京都)細菌第一部の小泉信夫主任研究官によると、国内では1,970年代前半までは年間50人ぐらいがレプトスピラ症で死亡していたが、今は衛生状態が良くなって、患者数は年間20人ほどという。「それでも毎年各地で散発的に発生しているので、注意が必要です」

最多は沖縄、東京も3番目に多い

 患者が最も多いのは沖縄県で、全体の半数近くを占める。同県では特にマングースやイノシシがレプトスピラを多く持っている。農作業で感染することが多いが、マングースなどの尿が川に流れ込み、川遊びなどで感染することもあるという。

 患者は農村部ばかりではない。東京都は患者数は3番目に多く、都内のドブネズミから病原性のレプトスピラが検出されたという報告もある。

 なお、人から人への感染はほとんどないという。

素手や素足避けて

 感染すると5~14日の潜伏期間を経て、発熱、悪寒、筋肉痛、結膜の充血などの症状が表れる。軽症で済むことが多いが、重症化すると黄疸(おうだん)や出血、腎不全などを起こして死に至ることもある。

 レプトスピラ症の診断は特殊な検査が必要で、菌を培養するほか抗体、DNAを検出して行われる。治療には抗生物質(抗菌薬)が使われ、症状が軽ければドキシサイクリン、重い場合はペニシリンが投与される。感染初期に治療を開始すれば、効果は早く表れるという。

 感染の危険性が高いのは水田、牧畜、河川、沼地、ネズミがいる調理場など。小泉主任研究官は「予防には、素手や素足で農作業をしないこと。都市部でも野生のネズミとの接触を避け、側溝や下水道の掃除はゴム手袋を着けて行うように心がけて」と助言している。予防にはワクチン(ワイル病秋疫混合ワクチン)があるが、現在確認されている細菌のタイプ(血清型)が250種類あるのに対し、ワクチンでは5種類にしか対応していない。

(編集部)

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