2014年03月07日 10:30 公開

子供向け医学教室に上級者コース、細胞や遺伝子も学ぶ

現役医師が教える「とうきょうキッズメディカルスクール」

内視鏡を使った授業風景
内視鏡を使った授業風景

 「医師を目指す人だけが医学を学ぶのは残念」「賢い医療消費者(医療の受け手)を育てたい」との思いから、現役の呼吸器内科医である澤田めぐみ氏(一般社団法人メッドラーニング代表理事)が2011年に開校した小学生向け医学教室「とうきょうキッズメディカルスクール」(東京都武蔵野市、関連記事)。従来の「ベーシックコース」に加え、今年から、より詳しく学べる上級者向けの「アドバンストコース」を新設した。受講できるのは、基礎的な医学知識を身に付けたベーシックコース修了者のみで、細胞や遺伝子などより専門性の高い分野についても学ぶという。

医療機器に触れる体験型授業、延べ約100人が受講

 2011年4月に澤田氏が開校した「とうきょうキッズメディカルスクール」は、体の作りや病気の仕組み、検査や治療について、実際の医療機器に触れながら専門医による授業が受けられるのが特徴。単に知識を詰め込むのではなく、体験を通して学べると評判で、これまでに延べ約100人の子供たちが白衣に身を包んで医学を勉強してきた。

 「中には、小学3年生で学んだけれど6年生でもう一度勉強したいという生徒や、東海地方から通う生徒もいる」と、澤田氏は需要の高さを実感しているという。

 そこで、これまでの小学3~6年生を対象としたベーシックコースに加え、同コース修了者がさらに詳しい内容を学べるアドバンストコースを新設。対象も中学生まで広げた。「細胞の仕組み」や「遺伝子の正体」、「神経・内分泌」といったより専門的な分野についても掘り下げて学ぶ。とはいっても、澤田氏によるオリジナルテキストにはQ&Aやイラストなどが豊富に盛り込まれ、楽しみながら理解を深められる工夫が散りばめられている。

とうきょうキッズメディカルスクール 年間カリキュラム】
ベーシックコース(1年目)
4月 血液の秘密をさぐれ
5月 心臓のしくみ、これでカンペキ!
6月 呼吸の不思議
7月 お医者さんの仕事~外科医の世界~
8月 食べたご飯はどこへ行く?
9月 赤ちゃんはどこから来るの?
10月 私たちの体をねらう病原体
11月 がんの話
12月 薬はなぜ効くの?
1月 はなし(歯無し)にならない話
2月 おしっこが出ないとどうなるの?
3月 なぜ体は動くのか~骨と筋肉~

アドバンストコース(2年目)
4月 細胞のしくみ、もっともっとくわしく!
5月 ぼくが、お父さん、お母さんとにているわけ
6月 遺伝子の正体は?
7月 ここまで進んだ! 外科手術
8月 細胞と細胞の連絡網...神経・内分泌
9月 見る・聞く・話す、そのしくみ
10月 先生、こどもの病気、教えて下さい!
11月 心と体のむすびつき
12月 歯科医の世界
1月 ミクロの世界をもっともっと
2月 体の中を調べるために...いろいろな検査
3月 体のSOS...いろいろな症状

(出典:とうきょうキッズメディカルスクール案内資料)

「医学以外にも伝えたいこと」を形に"学びの場"オープン

 澤田氏の活動は医学教室の運営だけにとどまらない。「『とうきょうキッズメディカルスクール』を通じて子供たちに接するうち、医学以外にも伝えたいことがあると気付いた」という澤田氏。母親の視点から、「自分の子供に伝えたいこと」をキーワードに、自ら各種専門スクールに掛け合い、「塾や学校とは違う学びの場」を目指して、多目的スペース「アカデミア吉祥寺Plus」をオープンさせた。

 「アカデミア吉祥寺Plus」では、文字と音を軸にした独自の学習法で指導する「とうきょうイングリッシュアカデミー」や、子供の視点から法的な物の考え方を教える「東京こども法科学院」、テレビやラジオといったメディアの企画・制作・出演を体験させる「コドモノカイシャ」などが順次、開校される。

 開校からわずか3年で急成長を遂げた現役医師による教育事業。今後について澤田氏は「医療統計学なども取り入れたい」と、さらなるカリキュラムの充実を目指す。医療について語るとき、ともすると医師や医療施設に対する批判ばかりが先に立ってしまいがちだが、医療消費者であるわれわれにも、体や病気、検査や治療に関する正しい知識がなければ、批判は単なる愚痴になり、解決されないままなのかも知れない。

(松浦 庸夫)

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