2014年04月02日 06:00 公開

リウマチ患者が必ず受けておきたいワクチンとは?

神戸大リウマチ教室

 関節リウマチの治療で使われている主な薬は、免疫力を下げてしまう作用がある。そこで、ぜひ受けておきたいのが予防接種だ。2月27日に開催された神戸大学の整形外科リウマチ教室「若いリウマチ患者さんへ:就職や妊娠、育児について」では、同科の三浦靖史准教授が関節リウマチ患者が受けるべきワクチンについて講演。「特にインフルエンザや肺炎球菌の予防接種はぜひ受けてほしい」と促した。

不活化ワクチンは接種OK、生ワクチンはNG

 関節リウマチ患者が受けるべきワクチンは、インフルエンザや肺炎球菌、B型肝炎などの不活化ワクチン(細菌やウイルスの感染性や毒性をなくして作ったワクチン)に限られる。麻疹や風疹などの生ワクチンの接種は、メトトレキサートや生物学的製剤といった免疫を抑える治療を受けている関節リウマチ患者では受けることができない。

 なお、医学部や看護学部、教育学部などの学生は、血清検査で麻疹や風疹などの抗体がない場合に、臨床実習や教育実習に際して予防接種が義務づけられている。関節リウマチ患者の場合は接種できない旨を学校に伝えるために、診断書の作成が必要になる。

子宮頸がんワクチンは現時点では慎重に

 若い女性を対象とした子宮頸(けい)がん予防のためのHPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンは不活化ワクチンの一種なので、関節リウマチ患者も接種可能だ。しかし、複合性局所疼痛症候群(CRPS)など、想定されていなかったまれな重い副作用(副反応)が報告されており、現在、厚生労働省では「接種を積極的に勧奨すべきではない」としている。

 また、子宮頸がんワクチンにはアジュバントと呼ばれる免疫活性化剤が含まれているが、動物実験ではある種のアジュバントを接種すると免疫誘導作用によって関節リウマチによく似た関節炎が生じる。

 そのため、三浦准教授は「アジュバントを含むワクチンの接種により自己免疫疾患は増えないと報告されているが、関節リウマチ患者への影響はよく分かっていない。これらのことを考え合わせると、現時点では接種に慎重でよいのでは」と助言している。

(長谷川 愛子)

神戸大学 整形外科リウマチ教室
 神戸大学整形外科では、関節リウマチ患者が自分の病気についての理解を深め、より良い療養生活を営めるアドバイスを伝える目的で、2003年から毎月1回、同大学病院で患者教室を開講している。同院に通う人だけでなく、他の医療機関や診療科で治療を受けている関節リウマチ患者、患者の家族、医療関係者など、関節リウマチに関心を寄せる全ての人に門戸を広げている。

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