2014年06月20日 10:30 公開

ホクロの数と乳がんが関係、15個以上でリスク1.35倍

米研究、仏からも報告

 女性の14人に1人がかかるといわれている乳がん。かかりやすくなる要因(危険因子)として、妊娠・出産の経験がない、授乳歴がない、高齢出産(初産)、初経年齢が早い、閉経年齢が遅い、飲酒などが挙げられるが、ここにホクロの数が加わるかもしれない。6月10日発行の米医学誌「PLoS Medicine」(電子版)には、米国とフランスからホクロ(色素性母斑)の数と乳がんの関係を示す2つの研究結果が報告された。米国の研究では、ホクロの数が15個以上の女性は、ホクロがない女性に比べて乳がんになる危険性が最大1.35倍高かったという。

1~5個では差なし

 同誌に掲載されたのは、米国の女性看護師7万4,523人を約24年間追跡調査した研究と、フランスの女性8万9,902人を18年間追跡調査した研究。いずれも、自己申告によるホクロの数と乳がんとの関係を調査している。

 米国の研究では、左の肩から手首にかけて直径3ミリ以上のホクロの数について自己申告。24年間で5,483人が乳がんにかかり、ホクロの数が「なし」に比べた乳がんにかかる危険性は、「1~5個」では差がなかったものの、「6~14個」で1.15倍、「15個以上」で1.35倍と、数が多くなるほどリスクも上昇した。

 乳がんの種類別に見ると、危険性が高まったのはエストロゲン受容体陽性乳がんのみで、エストロゲン受容体陰性乳がんのリスク上昇は認められなかった。さらに、閉経後にホルモン補充療法を受けていない611人について調べたところ、ホクロが6個以上の女性で乳がんの危険因子とされるエストラジオール(女性ホルモン)とテストステロン(男性ホルモン)の値が上がっていたという。

 検討を行った米ハーバード医科大学のMingfeng Zhang氏らは、ホクロの数がホルモンの値に影響を与えている可能性があり、乳がんを予測する新たな要素になるかもしれないと述べている。

仏研究では閉経前女性のみで関連

 一方、フランスの研究では、自身のホクロの数について「なし」「少ない」「多い」「非常に多い」のいずれかで回答してもらった。18年間で5,956人が乳がんにかかり、「非常に多い」女性では、「なし」の女性に比べて乳がんにかかる危険性が1.13倍に高まった。しかし、良性乳腺疾患にかかったことがある場合や、家族に乳がん患者がいる場合の影響を除外すると、統計学的に意味のある危険性の上昇は認められなかった。

 さらに、閉経前後で見ると、閉経後では関連がなかったものの、閉経前では良性乳腺疾患にかかったことがある場合や、家族に乳がん患者がいる場合の影響を除外しても、ホクロが「非常に多い」女性で乳がんにかかる危険性が1.34倍になっていた。

 こうしたことなどから、報告したフランス疫学公衆衛生研究センターのMarina Kvaskoff氏らは、今回の検討ではホクロの数と閉経前の女性の乳がん、良性乳腺疾患、乳がん家族歴の各リスク上昇との関連が示されたと述べている。

さらなる研究が必要

 2件の研究結果について同誌で論評した米アーカンソー医科大学のBarbara Fuhrman氏らは、ホクロが乳がんを予測する新たな要素になる可能性がアピールされているが、ホクロの評価が自己申告であること、両研究で結果の一部が再現されていないことなどから、今後さらに詳しい研究が必要とした。

 なお、これまでの研究で、ホクロはメラノーマ(悪性黒色腫)、子宮内膜症、平滑筋腫、甲状腺疾患など、ホルモンに関連する病気との関連が示唆されている。

(編集部)

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