2014年06月30日 06:00 公開

心臓病になっても運動を! 再発防ぐ心臓リハビリ

自転車こぎや筋トレ

 心筋梗塞や狭心症、あるいは心臓の手術後は、症状が安定したら早期から体を動かす心臓リハビリテーションが再発を防ぎ、生活の質を高めることが分かってきた。「自転車のペダルこぎなどで、生存率の向上が確認されています」と、兵庫県立尼崎病院循環器内科の谷口良司医長は話す。

生活指導も実施

 かつて、心筋梗塞や狭心症、あるいは心臓の手術を受けた患者が運動することは危険だと考えられていた。しかし最近では、適度な運動は退院や日常生活の自立、社会復帰を促すだけでなく、病気の再発や悪化を防ぎ、長生きにつながるとして、心臓リハビリが勧められている。

 心臓リハビリでは運動療法の他、病気の理解を深める、食事、禁煙・服薬などの生活指導、カウンセリングも行う。栄養士や薬剤師も参加して、患者だけでなく家族も含めて指導することもある。

 同院では2007年2月に、循環器内科外来診察室の隣に心臓リハビリ室を開設した。医師、看護師、理学療法士、健康運動指導士が待機し、一度に6~7人を受け入れる。

 「病棟でのリハビリが進み、200メートル歩けるようになったら退院に向けてリハビリ室でも開始です」と谷口医長。運動の強度は心肺運動負荷検査で測定し、時間、頻度、種類、期間など、患者一人ひとりに合わせた運動処方箋を作成。一般的には自転車のペダルこぎなどの有酸素運動を1回20分、ゴムチューブを使った筋力トレーニングも含めて計1時間行う。

死亡例減少確認

 谷口医長は2007年から、心筋梗塞を起こして入院した患者156人を追跡調査している。リハビリを継続している39人では、していない117人より病状の悪化などによる再入院や死亡例が明らかに少なかった。

 心臓リハビリの目的は再発予防と生存率の向上。心筋梗塞の場合、必ずしも動脈が狭い場所で梗塞を起こしているとは限らず、再発は同じ場所では起こらない。「検査や治療の技術は向上してきたが、それだけでは再発は防げません。防ぐには心臓リハビリが効果的。生涯、続けることが保険になるのです」と谷口医長は話している。

(編集部)

2013年5月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)