2014年07月10日 06:00 公開

人や動物の幻覚が見える「レビー小体型認知症」

小股歩行やうつ症状も特徴

こうした幻覚が見えることもあるという
こうした幻覚が見えることもあるという

 認知症の一つのレビー小体型認知症は、アルツハイマー病と間違えられることも少なくない。その症状や治療法について、この病気を発見したメディカルケアコート・クリニック(横浜市)の小阪憲司院長に聞いた。アルツハイマー病と違うのは人や動物の幻覚が見えることで、小股歩行やうつ症状なども特徴だという(関連記事:花が顔に見えたらレビー小体型認知症? 幻視検査を開発)。

認知症の2割を占める

 この病気が知られるようになったのは比較的最近のことで、認知症の原因としてはあまり多くないとみられていた。現在では約5割のアルツハイマー病に次いで約2割を占め、脳血管性認知症よりも多いとされる。

 レビー小体とは、α(アルファ)・シヌクレインというタンパク質が固まった物質で、脳にできると神経細胞を損傷するが、脳の中の脳幹という部分に現れるとパーキンソン病を発症し、大脳皮質に現れるとレビー小体型認知症を引き起こす。

 この病気では、記憶障害や時間や場所が分からない見当識障害は、初期のうちはアルツハイマー病と比べて軽く、目立たない。最も特徴的な症状は、その場に存在しない人物・小動物・虫などが見える幻視だ。ほとんどは家の中で、1人とか1匹のケースが多いが、複数見えることもある。周囲は理解できずに、統合失調症ではないかと疑うこともある。

レム睡眠行動障害も

 ほかに、小股で前かがみで歩くなどのパーキンソン病の症状や、気分の落ち込み・無関心などのうつ症状、睡眠中に怒鳴ったり、暴れたりするレム睡眠行動障害などが現れる(関連記事:眠りながら暴力振るう「レム睡眠行動障害」)。

 治療では、アルツハイマー病に使われている「アリセプト」(ドネペジル)などのコリンエステラーゼ阻害薬が、アルツハイマー病以上に効くとの評価もあり、使われることがある。ただ、現在のところ健康保険は適用されていない(2013年10月にレビー小体型認知症に関するアリセプトの効能・効果を追加申請)。そのほか、漢方薬や抗精神病薬、パーキンソン病の薬などを用いることがある。

 小阪院長は「レビー小体型認知症は発症すると進行が速い傾向にあります。早く適切な診断と治療を受けることが、本人のみならず支える家族の方にとっても大切です」と強調する。

 「レビー小体型認知症家族を支える会」の公式サイトには、この病気に詳しい医師が紹介されている。気になる症状があったらぜひ相談を。

(編集部)

2013年7月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

関連リンク(外部サイト)