2014年08月14日 06:00 公開

静かに進行する慢性腎臓病、悪化で透析や移植必要に

糖尿病など生活習慣病原因のケース増

人工透析の様子。CKDが進行すると不可欠になることも
人工透析の様子。CKDが進行すると不可欠になることも

 原因が何であれ腎臓が慢性的に障害されたり、機能が慢性的に低下したりしている状態を慢性腎臓病(CKD)という。自覚症状がないまま進行し、悪化すると透析治療や腎移植が必要になることがある。聖マリアンナ医科大学病院(神奈川県)腎臓・高血圧内科の木村健二郎教授は「高血圧や糖尿病など生活習慣病を原因とするケースが増えています」と注意を促す。

糖尿病原因が半数占める

 腎臓は体が生きていく上で最適な状態になるよう24時間休みなく働いている。多数の毛細血管の塊である糸球体という所で血液をろ過し、血液中の老廃物や余分な水分を尿として排出するほか、血圧を調整するホルモンや赤血球を作るホルモンを分泌するなどの機能を担っている。

 CKDはほとんどの場合、自覚症状がないままに進行することが多い。最終的には腎不全に陥り、透析治療や腎臓移植が必要になる場合もある。

 末期の腎不全のため透析治療を開始する原因は、以前は最も多かった慢性腎炎が減少傾向にあり、逆に糖尿病が急増して半分ほどを占めている。高血圧と加齢が原因の腎硬化症も増加傾向にある。

 木村教授は「CKDが注目されているのは、末期腎不全の危険が大きいことに加え、脳卒中や心筋梗塞の危険も増えるからです」と指摘する。

尿タンパク検査受けて

 腎臓が障害されると、健康であれば漏れないはずの血液中のタンパクが尿中に出てくる。また、糸球体がろ過する能力である腎機能が低下すると、血液中の老廃物の一種であるクレアチニン濃度が増えてくる。これらの異常が、どちらか、あるいは両方が3カ月以上続くとCKDと診断される。自治体の定期健診などの機会を逃さず、尿タンパク検査と血清クレアチニン検査は受けることが重要だ。

 木村教授は「治療は原因となっている病気の治療と、高血圧、糖尿病、メタボリックシンドロームと肥満、脂質異常症、喫煙習慣などの危険因子への対応が主になります。また、適切な食事療法も大切です。腎機能を元に戻すのは難しいのですが、安定させたり悪化を遅らせたりするのは可能です」と話している。

(編集部)

2013年9月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)