2014年09月02日 06:00 公開

手のひらや足の裏に水ぶくれ、女性に多い掌蹠膿疱症

診断つくまで数年かかるケースも

 手のひらや足の裏に膿の入った水ぶくれ(膿疱=のうほう)ができる皮膚の病気を、掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)という。最初はかゆみを伴い、かさぶたとなって皮膚の表面(角層)が剥がれ落ちる。中年の女性に多い皮膚炎で、症状が良くなったり悪くなったりを繰り返すのが特徴だ。聖母病院(東京都)皮膚科の小林里実科長は「症状が一定でないため、診断がつきにくく、病名を知るまでに何年も要したという患者さんもいます」と話す。

水虫と似るが他人にうつらない

 掌蹠膿疱症は症状が水虫によく似ているが、膿疱の中身に水虫の原因となるカビ(白癬菌=はくせんきん)や細菌などがないため、他人に感染させることはない。かゆみや剥がれかけた皮膚が気になることから、患部を触ってしまい、炎症を悪化させる要因となる。また、患者の2~4割で鎖骨や胸の真ん中、関節などに激痛が発生し、日常生活もままならなくなることがある。

 歯や扁桃(へんとう)に、細菌感染による慢性的な炎症(病巣感染)が見られることや、喫煙習慣が患者の多くに共通するほか、歯科金属アレルギーが関わるケースもあり、それらが何らかの原因と考えられている。

 「喫煙歴、過去の慢性扁桃炎があるかないか、歯科治療の状況など、総合的に検査・診断の上、必要な治療を開始します。歯科病巣などがある場合、治療しないと、皮膚症状も関節炎もなかなか治りません」(小林科長)

 塗り薬には、主にステロイド外用薬や活性型ビタミンD3外用薬が使われ、その際は患部にすり込まず表面に軽く塗るとよい。また、病巣感染が関わることからマクロライド系の抗生物質や、一部の患者ではビオチンというビタミン剤が、症状を軽減させることがあるという。

 小林科長は「手のひらや足の裏は角層が厚いため、回復に時間がかかります。皮膚を触るほどよくなく、乾燥状態もいけません」と注意。「薬を塗った後は保湿し、アトピー性皮膚炎用のチューブ式包帯などで手足を覆うとよいでしょう。剥がれる皮膚が見えなければ気になることもありません」と助言する。症状が疑われたら、まずは皮膚科専門医の受診を。

(編集部)

2013年9月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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