2014年09月05日 06:00 公開

五十肩と間違えやすいリウマチ性多発筋痛症―女性に多い

首や太もも、股関節痛も

<strong>五十肩と思っていたら…(写真はイメージ)</strong>
五十肩と思っていたら…(写真はイメージ)

 年を取って肩が痛むようになるとまず思い浮かぶのは五十肩だが、他の病気が潜んでいることがある。リウマチ性多発筋痛症もその一つで、突然発症するのが特徴。女性に多く、首や太もも、股関節周辺の筋肉痛なども起こるという。整形外科で診る五十肩と違い、この病気はリウマチ科や膠原病科などを受診する必要がある。聖路加国際病院(東京都)アレルギー膠原(こうげん)病科の岸本暢将医長に聞いた。

難病合併で失明も

 「PMR」とも略されるリウマチ性多発筋痛症について、岸本医長は「炎症を伴い、突然発症するのが特徴です。時間がたつと寝返りが打てなくなることもあります」と話す。だるさ、発熱、体重減少、食欲不振などが見られることもある。患者の半数以上が最初に肩や首の痛みを訴えるという。

 原因は今のところ不明。肩や首の痛みなどは他の病気でも見られ、リウマチ性多発筋痛症を診断できる特別な検査法もない。このため、同じような症状を起こす他の病気でないことを一つずつ確認しながら、消去法によって診断する。

 病名に「リウマチ性」が付いていても、関節リウマチのように関節が破壊されたり変形が起こったりすることはあまりない。「命に関わるような病気ではありませんが、一つ注意が必要なことがあります」と岸本医長。

 リウマチ性多発筋痛症は、難病の巨細胞性動脈炎と併発することが多く、リウマチ性多発筋痛症患者の15%、巨細胞性動脈炎患者の50%が両方の症状を合併している。巨細胞性動脈炎は、こめかみの側頭動脈に原因不明の炎症が起こり、視力低下や失明につながる恐れがある。

50歳以上は注意

 リウマチ性多発筋痛症の治療はステロイド薬がよく効く。ただ、自己判断で安易に薬の量を減らしたり、服用を中止したりすると再発しやすいという。また、ステロイド薬を長期間使うと副作用が出ることもあるので、医師の指示に従うことが大切だ。

 現在、国内の患者数は10万人当たり約1.5人で、女性は男性の倍近い。今後、高齢者が増加するに従って患者も増えていくことが予想されている。

 「50歳以上で、特にケガなどもしていないのに、肩や首の痛みが1カ月以上続くような場合は、リウマチの専門医のいる病院などで一度受診してください」と岸本医長は助言している。

(編集部)

2013年10月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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