2014年10月16日 06:00 公開

ぎっくり腰は動いて治す! 安静は逆効果

音楽や深呼吸で“心の治療”も

<strong>腰痛のときこそ活動的に!</strong>(Thinkstock/Getty Images)
腰痛のときこそ活動的に!(Thinkstock/Getty Images)

 「ぎっくり腰」のような原因がはっきりとしない急性の腰痛に対し、最近は安静にするのではなく、できる範囲で普段の活動を維持するよう勧められることがある。独立行政法人労働者健康福祉機構(川崎市)の松平浩医師(整形外科専門医)は、「多くの腰痛で、安静はかえって悪化や慢性化を助長させるかもしれません」と注意を促す。腰痛にストレスが関与していると指摘する松平医師は、音楽や深呼吸で"心の治療"も行うよう勧めている(関連記事:人間関係のストレスでも腰痛に、脳の不具合が異常もたらす)。

安静で再発率3倍

 松平医師らの研究では、ぎっくり腰を起こして受診した人で、安静を指示された人たちは、可能な範囲で活動することを指示された人たちより、翌年の再発は3倍以上も高いことが分かった。

 それではなぜ、安静が逆効果になるのか。患者は安静を指示されると、体を動かさなくなり、脊椎や筋肉の柔軟性が損なわれやすく、心も体もこもりがちになる。その結果、腰痛が悪化したり、慢性化したりしやすくなるというわけだ。

 松平医師は「ぎっくり腰でも、できるだけ普段通りの生活を心掛け、安静にしても2日間程度にするのが望ましいでしょう」と助言する。

愚痴を話すのも"治療"

 慢性の腰痛の一つには、椎間板内の髄核がずれるといった腰椎の不具合のため起こるものが考えられる。このタイプは、息を吐きながら、腰をできるだけしっかり反らし、3秒程度保持するといった体操を小まめに行うことが、痛みや不具合の解消につながるという。 「ただし、痛みやしびれが膝元の方へ広がる場合は、必ず整形外科を受診し、神経障害がないかなどを確かめる必要があります」と松平医師。

 また、腰痛以外に睡眠障害や胃腸の不調など複数の症状があるような人は「心理的なストレスによる腰痛」の可能性がある。その場合、好きな音楽を聴き、愚痴を話すなどして痛みを抑える働きをするドパミンの分泌を促し、ウオーキングや深呼吸で、心のバランスを整えるセロトニンの分泌を促して対処するとよいという。

 また、日本ではほとんど行われていないが、患者の物事の否定的な受け止め方を変え、前向きな行動を促す「認知行動療法」が世界的には有効とされている。

(編集部)

2013年11月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)