2014年10月20日 19:45 公開

沖縄であわやエボラ騒ぎ...西アフリカ帰りの発熱患者

 米国内での感染が相次いで発生するなど、日本も"対岸の火事"ではなくなってきたエボラウイルス病(エボラ出血熱を含む)。こうした中、西アフリカのリベリアから帰国した男性が発熱し、沖縄県内の診療所・病院を受診したことについて、国立感染症研究所は10月16日に速報で発表した。男性が受診したのは危険性の高い感染症を扱う専門の病院ではなく一般的な病院で、スタッフは防護服を身に着けていなかったことなどから、報告者は男性がエボラウイルス病ならば感染拡大の危険性があったと指摘している。

帰国後10日目に発熱

 報告によると、高血圧にかかったことのある60歳男性は、出張で約10カ月間、リベリアに滞在していた。帰国時に体調の問題は見られなかったものの、検疫所で発熱した場合は病院に行くよう助言されていたという。

 帰国後10日目に発熱があったため、男性は沖縄県内にあるかかりつけの診療所を受診。抗生物質を処方されたものの、13日目には状態が悪化したため、同県内の中頭(なかがみ)病院を訪れた。発熱と息切れがあったが、嘔吐(おうと)や下痢、腹痛などはなかったとされている。

 当直医が聞いたところ、男性はリベリアに渡航したことを明らかにし、その時点で感染症が疑われたため個室に移動した。しかし、この間、医療スタッフは防護服などを身に着けていなかったという。その後に行われた問診や検査の結果、熱帯熱マラリアに感染していることが分かり、受診から約7時間で拠点病院に転送された。

「感染拡大の恐れがあった」

 報告した中頭病院感染症内科・総合内科の大城雄亮医師と新里敬部長は、男性の意識がはっきりしていて問診ができたことが、素早い診断・転院につながったと評価。一方で、

  1. 来院時に西アフリカへの渡航者と認識されず、受け付けの事務員や看護師、当直医が防護服なしで患者と接触した
  2. 受診時にスタッフがエボラウイルス病を疑っておらず、検査用の血液の取り扱いが通常と変わらなかったため、感染拡大の恐れがあった
  3. 受診後に熱帯熱マラリアの可能性が高いことが分かったものの、確定診断までは防護服を着て診療を行うべきだった

―などの課題を挙げた。

 さらに大城医師らは、海外渡航が身近な現在、海外帰りの患者が一般的な病院を受診する可能性があると指摘。エボラウイルス病のような重い感染症にかかっている人が訪れることも考えられるため、日頃からの準備が大切だとしている。

(編集部)

※更新履歴:
2014年10月22日 リードにある「感染症の専門病院ではなく」を「危険性の高い感染症を扱う専門病院ではなく」に変更しました。
2014年10月22日 箇条書きの第3項目にあった「問診で」を「受診後に」に変更しました。 

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