2014年10月21日 06:00 公開

中途失明の原因ナンバーワン、緑内障...過剰な心配は無用

定期検診と点眼が大切

<strong>緑内障検査のようす</strong>
緑内障検査のようす

 緑内障は最近、中途失明原因の第1位となっている。慶応義塾大学病院(東京都新宿区)眼科の芝大介医師は「ほとんどのケースでは、定期的な検査と点眼をきちんと行ってさえいれば大丈夫でしょう」とし、深刻に考えなくてよいと説明する。

高い眼圧が視神経障害

 眼圧は、眼球内の圧力のことで、それによって目玉の形は保たれており、正しく見るために必要なものとなる。緑内障では、その眼圧が「その人にとって」高いため、眼球の奥にある視神経が障害され、視野が欠けたり、見えにくくなったりする。

 日本人では、眼圧が正常範囲の10~20mmHgであっても緑内障と診断される人が多く、このタイプは「正常眼圧緑内障」と呼ばれている。眼圧がそれほど高くないのに緑内障になるのは、その人の視神経が眼圧に対して弱いからだと考えられている。また、近視の人は、正常眼圧緑内障になりやすいという。

 緑内障は、失明まで進むこともあるが、芝医師は「ほとんどの人は、生活に支障を来すような状態にはならないといってよいでしょう」と過剰な心配を戒める。

治療で悪化は防げる

 視神経はいったん障害を起こすと、治療しても元に戻すことができない。しかし、治療で悪化させないことは可能であり、眼科で検査し、早期に発見することが大切だ。

 治療は、目薬で眼圧を下げることが基本。飲み薬には、プロスタグランジン関連薬、β(ベータ)遮断薬、炭酸脱水酵素阻害薬、交感神経刺激薬などがある。効果が不十分な場合は複数の薬を併用することもあり、最近では2種類の薬を合わせた配合剤も用いられている。また、目薬で眼圧が下がらない場合は、レーザー治療や手術療法で積極的に眼圧を下げることもある。

 早めに発見されると、自覚症状はほとんどないが、「毎日の点眼は5年後、10年後も今の状態を保つために欠かせません。また、進行しているかどうか、治療の効果があるかどうかを知るためにも定期検査は重要です」と芝医師は強調する。

 特に注意したいのは、急性緑内障発作と呼ばれる突然の目の痛みや頭痛。これが起こると失明の恐れもあるので、直ちに眼科の受診が必要だ。

(編集部)

2013年11月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)