2014年12月22日 20:30 公開

受験成功のコツは"体内時計"の改善?―研究会発足

子供の学力・体力向上目指す―ボディクロック研究会

 現代社会で増加する不規則な生活や夜型化。人間の生体リズムを調節しているボディクロック(体内時計)が乱れ、睡眠リズムへの影響だけでなく、生活習慣病などにもつながるという。こうした中、ボディクロックの改善によって子供の学力や体力、社会人のビジネスパフォーマンスを向上させることを目的とした一般社団法人「ボディクロック研究会」が、12月24日に設立される。それに先立ち、同研究会は12月19日、都内で設立記者発表を開催。ボディクロックを正常にするためのルールとともに、受験に成功するコツなども紹介した。

高校の「昼寝タイム」導入で学力・運動効率が向上

 ボディクロックとは、「時計遺伝子」と呼ばれる細胞で構成された細胞群で、寝る時間や食事の時間など体のさまざまなリズム(概日リズム)を調節する役割を担っている。近年は生活習慣の乱れからこの"時計"が狂って睡眠の質が落ち、勉強や仕事の効率が落ちている人が増えているという。

 そこで発足したのが同研究会。(1)不眠による経済損失3.5兆円の削減に貢献、(2)子供の体力向上を支援して東京五輪のメダル獲得に貢献、(3)子供の学力世界1位の達成を支援―を目標に掲げている。

 会見では、冒頭に同研究会の理事長を務める久留米大学医学部の内村直尚部長(神経精神医学講座主任教授兼任)が、子供の成長過程で適切な睡眠を取ることの重要性を強調。福岡県立明善高校で1日の眠気リズムを利用した「昼寝タイム」を導入した結果、適切な睡眠で生徒の学力や運動パフォーマンスが向上した例を紹介した。

 また、"受験に成功するコツ"として、「受験前は生活が不規則となり、夜型になりやすい。しかし、入学試験は午前9時から始まるため、夜型のままでは時差ボケ状態になってしまい、試験当日に実力を十分に発揮できない可能性が高まります」と説明。入試本番に強くなるには、午前9時に脳が十分に働く状態にすることが必要で、そのためには睡眠覚醒リズムを前進させて朝型へ変更することが重要とアドバイスした。

パフォーマンス向上のための5カ条

 さらに内村部長は、同研究会が毎月24日を「ボディクロックの日」と定めることも併せて発表。「当研究会が提唱する『"これをするだけ"パフォーマンス向上のためのボディクロックルール』の5項目を改めて確認し、睡眠の質向上の一助としてほしい」と述べた。

"これをするだけ"パフォーマンス向上のためのボディクロックルール

  1. "勉強や仕事開始の3時間前に起床する"ことでボディクロックを朝型に
  2. "起床時に朝日を浴びる"ことでボディクロックをリセット
  3. "朝食を毎日食べる"ことでボディクロックをスタート
  4. "10分程度の昼寝を午後3時までに取る"ことでボディクロックを微調整
  5. "平日・休日の起床時間を一定にする"ことでボディクロックのズレ防止

「3D睡眠診断」で自分の睡眠型をチェック

 同研究会の研究会員で愛媛大学医学部附属病院睡眠医療センターの岡靖哲センター長は、日本の子供の睡眠事情について紹介。ゲームや携帯電話など近年の子供が夜間の光刺激を浴びる機会が増えている影響も指摘し、「食事や睡眠時間など毎日の生活を記録し、眠りから生活を見直すことで子供のボディクロックを改善しましょう」と保護者や教育者らに呼びかけた。

 同じく研究会員で快眠セラピスト・睡眠環境プランナーの三橋美穂氏(有限会社スリーピース代表)は、「親子の寝具選び」をテーマに、「マットレスは硬い方が寝返りがしやすく腰にもよい?」などの質問に○×形式で答えるクイズを交えながら、快眠に役立つマットレスや枕の選び方を解説。「大人も子供もボディクロックの改善には、適切な寝具選びが不可欠」と強調した。

 ボディクロック研究会の公式サイトでは、睡眠の「位相」「質」「量」の3方向から睡眠のタイプを探る「3D睡眠診断」を実施中。自分の睡眠型をチェックし、ぜひボディクロックの改善に役立ててはいかが?

(小山 聖子)

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