2014年12月24日 19:00 公開

おいしく不調改善、食事で"未病"に取り組み―神奈川県など

料理教室大手と連携

 「病気ではないが健康でもない、不調がある状態」を指す"未病"。この考え方の普及を目指す神奈川県は12月18日、横浜市で記者会見を開き、料理教室大手「ABCクッキングスタジオ」と連携して食事で未病に取り組むことを発表した。今後、未病を治し、防ぐための栄養学講座などを一般に向けて開催していくという。会見には黒岩祐治知事とABCクッキングスタジオの櫻井稚子社長が出席し、覚書が交わされた。

食を通じて「ME-BYO」の普及目指す

 病気じゃないのに何となく不調―そんな"未病"を治すことが、病気を防いで健康で長生き、ひいては医療費の削減にもつながるという。神奈川県では、2014年1月に「未病を治すかながわ宣言」を発表し、国家戦略特区を活用した「ヘルスケア・ニューフロンティア」プロジェクトを発足、「最先端医療・最新技術の追求」と「未病を治す」という2つのアプローチで健康寿命日本一を目指している。

 神奈川県では未病の啓蒙活動とブランド化推進のため、同年6月にアルファベット表記の「ME-BYO」を商標登録。8月には民間のおよそ110社から成る「未病産業研究会」を発足し、未病に関連した事業を産業化する取り組みも始めている。ABCクッキングスタジオとの連携もその一部で、登録商標を使った事業としては2例目、食品関連では初となる。

 会見で黒岩知事は、自身の父が医食同源の食事療法で余命2カ月の末期がんから回復した例を挙げ、「『有胃気即生』(ゆういきそくせい=胃に気があればすなわち生きられる)といい、食べることができれば元気になる。それだけ食は大事なもの。食を通じて未病の概念を普及する活動をしていきたい」とABCクッキングスタジオとの連携に期待を寄せた。

 また、今後の未病対策の評価の枠組みとして「さまざまな科学的データを収集・蓄積し、医療とはまた異なる新しい学問として成立させる」ことも視野に入れ、「2015年秋には、世界各地から関係者を招待し、箱根で『未病サミット』を開催したい」と語った。

"ME-BYOレシピ"を紹介

 ABCクッキングスタジオは、2012年から「ヘルスラボ」を立ち上げ、ダイエットや健康、美肌など「食欲を満たすためではなく、目的を満たすための食」の普及に努めてきた実績がある。櫻井社長は「食べ物には力があり、薬を飲まなくても8割の病気を抑えられる」と話し、今後は未病に向けた取り組みとして、それらの実績を援用した「ME-BYO 1day lesson」「ME-BYO栄養学講座」などの講座を開催するとした。

 具体的な開催回数や募集人数などは未定だが、ABCクッキングスタジオの会員でなくても受けられ、受講費用も最低限の安価に設定する方針で、2015年4月の開講を予定。神奈川県内にある13カ所のクッキングスタジオで開始し、いずれは日本全国約130カ所のスタジオ、さらには海外4カ国15カ所のスタジオでの開催も視野に入れているという。

 また、すでに3,500人の認定者がいる「ヘルスフードカウンセラー」との連動も図っていく意向で、「栄養学的観点だけでなく、おいしさや楽しさも盛り込んだ未病の食を提案していきたい」(櫻井社長)としている。

 この日、会場となった同社の横浜ランドマークスタジオでは、会見に先駆けて「ME-BYO栄養学講座~免疫力UPでME-BYOを治そう~」を開催。一般会員のほか、県職員らおよそ100人の参加者に未病についての講義を行うとともに、"ME-BYOレシピ"として「シャキシャキ長芋の温玉ユッケごはん」のレシピをレクチャーし、調理実習も行った。同メニューは会見時に黒岩知事も試食。「ヘルシーな味で未病が治りそう」と太鼓判を押した。

 覚書では、このほか相互の未病情報発信や、県庁食堂等での「未病を治す」メニューの提供なども盛り込まれている。

(土屋 季之)

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