2015年01月20日 10:30 公開

子供の薬の誤飲事故、最多は何の薬? 消費者安全調査委

 幼い子供は何でも口に入れてしまうが、誤飲事故には気をつけたいところ。その原因の中でたばこに次いで多いのが薬だ。特に薬の誤飲事故は近年、増加しているという。政府の諮問機関である消費者安全調査委員会が2014年12月に発表した報告書では、誤飲事故の原因となった薬の種類がランキングで示されている。最も多かったのは何の薬?

最多は精神疾患の薬

 この報告によると、5歳以下の薬の誤飲事故は2006年以降増えており、今回の報告(2012年1~12月)でも報告数は8,388件に上った。そのうち症状があったのは869件、発生場所は自宅が96.5%、時間帯は午後6~7時に多発していた。

 調査の結果、医師から処方された薬(医療用医薬品)が6割半を占め、市販薬(一般用医薬品)は3割程度、残りは動物用医薬品などだった。

 薬の種類で最も多かったのは、医療用医薬品では「催眠鎮静剤、抗不安剤」で、「精神神経剤」が続くなど、精神疾患の薬が上位を占めた。

 報告では、精神疾患の薬を子供が誤飲した事例として以下のケースを紹介している。

〈母親は、子供(年齢2歳5カ月、身長85センチ)と一緒に昼寝をしようと考え、自身が寝つきをよくするために普段服用している精神安定剤を3~4錠(PTP包装)携行し、子供と一緒に寝室へ入った。母親はこれまで寝室に医薬品を持ち込んだことはなかったが、事故発生当日は、当該医薬品を1錠服用し、残りの2~3錠を同室のベッドのサイドテーブルの上に置いたまま、子供より先に寝てしまった。子供は、サイドテーブル上の医薬品を手に取り誤飲した。〉

〈母親が何か音がするので驚いて目を覚ますと、子供が船をこぐように同ベッドの横の壁に自身の頭をぶつけていた。子供は、目が半開き状態で、意識が朦朧(もうろう)としており、同ベッドの上で立ち上がろうとして壁に自身の頭を何度もぶつけていた。〉

(「消費者安全法第31条第3項に基づく経過報告 子どもによる医薬品誤飲事故」より抜粋)

 一方、一般用医薬品では、塗り薬や貼り薬の痛み止めやかゆみ止めなど(鎮痛・鎮痒=ちんよう・収斂=しゅうれん・消炎薬)が最も多かった。

高血圧、糖尿病、喘息の薬でも重い中毒症状

 薬の形では、錠剤が50.7%と最多、次いで塗り薬(22.5%)、水薬(10.1%)。誤飲したのは子供自身によるものが9割近くで、残りは親や保護者らの飲ませ間違いや薬の取り違えなどだった。

 病院などを受診した際の症状は、眠気・傾眠、嘔吐(おうと)、ふらつき、座れない、立てないが上位を占めた。また、診察した小児科医への調査からは、精神疾患の薬だけでなく、高血圧や糖尿病、喘息(ぜんそく)の薬などを誤飲した場合で重い中毒症状が見られたことが指摘されている。

 調査委員会は「誤飲により重い中毒症状を呈するリスクの高い向精神薬、気管支拡張薬、血圧降下薬および血糖降下薬については特に誤飲防止に注意を払う必要がある」としている。

(編集部)

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