岩田稔投手 1型糖尿病との闘い(2)反骨

2015年02月02日 06:00 公開

岩田稔投手 1型糖尿病との闘い(2)反骨

2:反骨

――つらい経験とは?

 病気になったことで閉鎖的になることがいっぱいあるんですよ。差別とかもありますからね。僕の場合は就職に関して差別されましたし、あれは本当にひどいなと思いました。

 もともとは高校出た後の進路は、大手の社会人チームにもう内定決まっていたんです。ところが、病気になったら「糖尿はいらん」、そんな感じで言われたんですよ、電話一本で。

岩田稔 投手

 僕ももちろん「何だよ」と思いましたけど、やっぱり(高校の)監督も悩んだと思います。それはつらかった。それで、「何とか見返したいから」って監督にお願いして、社会人野球に行けないから大学に行かせてくださいってお願いしたんです。

 その後は「その企業より絶対良いところに行ってやる」って思いで大学4年間を過ごしました。

――見返したかった?

 それはめっちゃありました。実は、大学入ってから練習試合があったんですよ、その内定を取り消された企業の社会人チームと。もうピシャッと抑えました。「やった!」って感じでしたよ(笑)。

 その日に僕が投げるって親に言ったら、「頑張れよ」って送り出してくれた後にコッソリ球場に来てくれました。病気が分かってから親もつらい思いしていたんです。もともと親父は体がそんなに強くないんで、色々話しました。「病気しても自分次第だから」と、そんな割り切り方を教えてくれたりもしたんです。

――そういう経験が上を目指すきっかけに?

 そうです。それで4年間頑張ったら、タイガースに声をかけてもらえたんです。でも、最初すごく悩みました。病気を持っているのに、プロ野球の世界に入るというのは、未知数だから先が分からない。プロに行くのか、大卒で差別ない企業に普通に就職した方がいいんじゃないのかって悩んだんです。

 でも、結局「プロに行ける機会ってそうはない」って思った。チャンスってそうそうないんで、そのチャンスが来たんだったら行かんともったいない! って思ったんです。それに、プロに入るってことは、企業よりも良いところに行くってことじゃないですか、野球という意味ではね。ふと、見返せたかなって思ったんです。

――プロから声がかかった時の気持ちは?

 正直うれしかったですね。純粋に野球人として評価してもらったんで、それがすごくうれしかった。

岩田稔 投手

――入団会見で語った「1型糖尿病の代表として頑張る」との思いは変わらない?

 はい。それが今の僕の、力の源になっているのかもしれないんです。プロになってタイガースという球団に入って、1型糖尿病という病気を持っているけれども、注射打ってやっています、ということを、メディアにも大っぴらにすれば、日本全国のテレビで放送されたりするわけじゃないですか。それで、1型糖尿病の認知度も高くなっていけばと思っているんです。

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