2015年02月20日 10:30 公開

喫煙者は注目! 健康的な食事でCOPDリスク低下

米国人対象の仏研究

 息切れなどがどんどん進行していくCOPD(慢性閉塞=へいそく=性肺疾患)。落語家の桂歌丸さんらがかかっていることで有名だが、原因のほとんどが喫煙といわれている。フランス国立衛生医学研究所(INSERM)のラファエル・バラソ氏と米ハーバード大学医科大学院などのグループは、米国の約12万人を対象に調べた結果、健康的な食事を心がけている人では、心臓病やがんだけでなくCOPDにもなりづらい可能性があると、2月3日発行の英医学誌「BMJ」(2015; 350: h286)に発表した。一方で、健康的な食事と喘息(ぜんそく)になるリスクは抑えられなかったという。

12万人の"健康的な食事度"を点数化して検討

 COPDは肺の働きが弱くなって正常な呼吸がしづらくなる病気で、咳(せき)や痰(たん)、息切れなどの症状がどんどん悪化するのが特徴。死につながることも少なくなく、世界の死因の上位を占めている。主な原因は喫煙だ。

 一方、玄米などの全粒穀物、青魚に多く含まれているDHAなどの多価不飽和脂肪酸、ナッツ類が多く、赤身肉や加工肉、精製穀物、砂糖入りジュースを控える健康的な食事を心がけている人では、心臓病やがんになりにくいといわれている。

 バラソ氏らは今回、1984~00年に米国の女性看護師を対象に行われた研究(NHS)と、1986~98年に米国の男性医療従事者を対象に行われた研究(HPFS)に参加した計12万254人(女性7万3,228人、男性4万7,026人)のうち、食事に関するアンケートに回答し、1984~00年にCOPDの診断を受けた人を対象に検討した。

 食事の評価に使われたのは「AHEI-2010」という目安。下記の計11成分を基に健康的な食事を点数化したもので、点数が高いほど健康的となる。

・たくさん取るのが望ましい6成分
野菜、果物、全粒穀物、豆・ナッツ類、長鎖ω3脂肪酸、多価不飽和脂肪酸
・適度に取るのが望ましい1成分
アルコール
・全く取らないか控え目にすることが望ましい4成分
赤身肉、加工肉、精製穀物、砂糖入り飲料

リスクが3分の1に

 検討の結果、AHEI-2010の点数によって5つに分けたうちの最も点数が高いグループ(最も健康的な食事をしていたグループ)では、最も点数が低いグループに比べてCOPDになるリスクが約3分の1に低下した。これは、COPDの主な原因である喫煙や肥満度、運動度、総カロリー量などの影響を除外した上での数値だ。

 一方で、喘息とAHEI-2010の間に関連は認められなかった。

 以上の結果から、バラソ氏らは「COPD予防の取り組みの中心は引き続き禁煙とするべきだが、健康的な食事も重要であることが示唆された」としている。

(編集部)

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