2015年03月09日 10:30 公開

1日30グラムの食物繊維だけでメタボに十分な効果―米研究

複雑なダイエット法続けられない人に朗報

 米マサチューセッツ大学医学大学院のユンシェン・マ氏らは、食物繊維を1日30グラム以上取るだけで、肥満の人の体重を効果的に減らせることが分かったと、2月17日発行の米国内科学会誌「Annals of Internal Medicine」(2015; 162: 248-257)に報告した。有効性が実証されている米国心臓協会(AHA)推奨の複雑な方法に効果の程度は及ばなかったものの、マ氏らは複雑な「AHAダイエット」を続けられない人にとって「妥当な選択肢になり得る」としている。なお、食物繊維を1日24グラム以上取ると、心筋梗塞などによる死亡率が下がるとの研究結果も報告されている。

あまりにも制限が多い「AHAダイエット」

 AHAダイエットは、同学会の食事ガイドラインに従った方法のこと。メタボリックシンドロームの予防や治療への有効性が実証されているが、食事制限が幅広く複雑なのが難点だ。具体的には下記の通り。

・果物や野菜を取る
・全粒穀物など食物繊維を多く含む食品を取る(1日30グラム以上)
・魚介類は週2回以上
・タンパク質は脂肪分の少ない食品から
・砂糖入り飲料を控えめにする
・糖分と塩分の摂取量は極力減らす
・飲酒はしない、もしくは適度にとどめる
・カロリー摂取の比率は炭水化物50~55%、タンパク質15~20%、脂質30~35%
・脂質は飽和脂肪酸7%未満、トランス脂肪酸1%未満
・コレステロールは1日300ミリグラム/日未満

 このダイエットを長期間続けられる人は、それほど多くないだろう。

 そこでマ氏らは、AHAダイエットの1項目である食物繊維を1日30グラムを取ることだけを実践した場合、AHAダイエット全体を行った場合と効果や継続性にどれほど差があるのかを調べた。

1年間で平均2.1キロの減量

 研究に参加したのは、糖尿病患者を除くメタボリックシンドロームの米国人男女240人。マ氏らは、参加者を1日30グラム以上の食物繊維を取るだけのグループと、それを含むAHAダイエット全てを行うグループとに、ほぼ半数に分けて1年間追跡調査した。

 その結果、体重の減った程度は食物繊維のみのグループで2.1キロと、AHAダイエットのグループの平均2.7キロには及ばなかったものの効果が認められた。またどちらのグループも血圧や食事の質、インスリン抵抗性の改善がみられ、その程度に差はなかったという。

 1年間のダイエットを全うできた割合は、AHAダイエットで87.4%だったのに対し、食物繊維のみは90.1%だったものの、統計学的には「差がある」とは言えない程度だった。ただし、マ氏らは、今回の参加者は教育水準の高い白人女性が中心だったため、この完遂率がそのまま一般化できるかどうかは不明としている。

ラーメンやうどんよりそばがオススメ

 以上の結果について、マ氏らは「1年間の追跡調査を終えた後の効果は分からず、両グループで食事の質に差があった可能性も否めない」としつつ、「食物繊維の摂取量を増やすのみの方法では、体重の減った程度はAHAダイエットの方が大きく、最大で1.7キロの差が見られた。しかし、ある程度の効果が認められたことから、複雑なダイエット法を続けられない人にとって十分に妥当な選択肢になることが示唆された」と結論している。

 なお、食物繊維は白米よりも玄米や麦、小麦粉よりも全粒粉などの方が多く含まれている。文部科学省の『日本食品標準成分表2010』と奥田恵子著『炭水化物&食物繊維 糖分ランキング』を照らし合わせると、パンならロールパン(1個当たり0.62グラム)に比べてライ麦パン(同4グラム)が多く、麺類だとうどん(1食分当たり2.4グラム)や中華麺(同2.1グラム)比べてそば(同3.7グラム)で多い。豆類は食物繊維が豊富だが、内訳を見ると不足しがちといわれる水溶性食物繊維の割合が少ないので、注意が必要だ。

(編集部)

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