2015年04月13日 06:00 公開

絵を描く、映画鑑賞、ネットで買い物...認知症予防に有効なのは?

85歳以上の256人を調査―米研究

 「趣味がアルツハイマー病などの認知症を予防する」といわれており、数々の研究結果も報告されているが、どんな趣味が最も有効なのか。米メイヨークリニックのローズバット・ロバーツ氏らは、85歳以上の高齢者256人を調べたところ、趣味によって認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)のなりにくさに違いがあることが分かったと、4月8日発行の米国神経学会誌「Neurology」(電子版)に発表した。「絵を描く」「映画鑑賞」「ネットで買い物」を趣味に持つ高齢者のうち、MCIになる人が最も少なかったのは?

芸術活動でMCIリスク最も低下

 ロバーツ氏らは、2004~08年に同クリニックの研究に参加した85~89歳(当時)の認知機能が正常な256人(女性62%)に、50歳の時点(中年期)と過去1年間(高齢期)の趣味について質問。記憶力や言語能力などを調べ、関係性を分析した。

 4年間ほど追跡調査した結果、中年期と高齢期の両方で「絵を描く」「彫刻」といった芸術が趣味と答えた人では、そうでない人に比べてMCIになる危険性が73%低かった。また、陶芸や裁縫など工芸の経験者では45%減。観劇や映画鑑賞、友人との交際、旅行などを含む社会活動の経験者では55%低かった。

 また、インターネットやオンラインゲーム、ネットショッピングなどのコンピューターに関する趣味では、高齢期に始めた人ではMCIリスクが53%低かったが、中年期から始めていた人(中年期と高齢期の両方で回答した人)ではMCIリスクの低下は認められなかったという。

1日1個のリンゴ、食べるだけでなく描いて買いに行こう

 以上の結果から、ロバーツ氏らは「認知症を予防する観点から、芸術や工芸、社会活動、コンピューターなどの趣味は生涯を通じて推奨されるべき」と結論。また、中年期に高血圧だった人はMCIになるリスクが2.43倍だったことから、「MCIの予防には、若い頃から積極的に高血圧の予防をすることが重要」としている。

 米ニューヨーク大学ランゴン医療センターのジェームズ・ガルビン氏は、同誌の付随論評で「昔から"1日1個のリンゴで医者いらず"といわれているが、これに"リンゴの絵を描こう""リンゴを買いに友人と一緒に買い物へ出かけよう""アップル社の製品を使おう"も加えるべきかもしれない」とコメントしている。

(編集部)

関連リンク(外部サイト)