2015年05月01日 20:45 公開

日本うんこ学会が初リアルイベント開催―ニコニコ超会議で

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無料検便やエクストリーム医学会などで若者に大腸がん啓発

 日本人の死因で最も多いがん。その中でも大腸がんは男性の死因3位、女性の死因1位を占めているが、40~69歳でも大腸がん検診(検便)を受けている人は男性で4割、女性3割半程度にとどまっている。大腸がんで死亡する人を少しでも減らすには、若い頃から検便への抵抗をなくすことが重要―そう思い立った横浜市立市民病院の石井洋介医師(消化器外科)らが立ち上げたのが「日本うんこ学会」だ。4月25~26日に千葉市で開かれた「ニコニコ超会議2015」では、日本うんこ学会にとって初のリアルイベントを開催。無料検便やエクストリーム医学会、"痛便器"など、若い世代やネットユーザーに"刺さる"形で大腸がんを啓発した。

なじみない医療情報を分かりやすい形で提供

 「日本うんこ学会」は、大腸がんの啓発を目的に有志の医師ら数名で2013年に結成。"学会"としているものの学術団体ではなく、社会人サークル的な集まりだ。しかし、活動は本格的で、大腸菌を擬人化したスマートフォン用ゲーム「うんコレ」を開発するなど、若者への大腸がん啓発に努めている。同学会で総監督を務めるニワンゴ取締役の木野瀬友人氏は「普段なじみのない医療情報を分かりやすいコンテンツに載せ、一般の人たちに情報を発信していきたい。そして、それを通して医療×コンテンツの産業をつくっていくのが目標」としている。

 初のリアルイベントとなった「ニコニコ超会議2015」の出展では、うんこはもちろんのこと、健康やヘルスケア全般にわたるさまざまな内容が盛り込まれたコンテンツを展開し、ニコニコ動画で生中継も行われた。

 「うんコレ」のコスプレイヤーや、アニメキャラのペイント(ステッカー)で覆われた"痛車"ならぬ"痛便器"をはじめ、「リアルうんこ学会」「エクストリーム医学会」「ニコニコヘルスケアハッカソン」「中二病医学会」「コスプレイヤーに捧げるBLS講座」など、ネットユーザー、サブカル層に親和性の高いコンテンツをラインアップ。「女子トイレの時間」では男子禁制の中、お通じだけでなく女性特有のさまざまな悩みについて専門家らが回答した。

災害に備え携帯トイレを

 初日に行われた「トイレ研究所の時間」では、日本トイレ研究所の加藤篤代表理事がうんこをモチーフにしたかぶり物を着けて登壇。災害時におけるトイレの重要性を訴えた。1995年の阪神・淡路大震災で仮設トイレの不足、設置遅れなどから、大量の排泄物が問題になったにもかかわらず、2013年の東日本大震災でもほぼ同様の問題が発生していた。

 加藤代表理事は「マスコミも報道しにくい問題ではあるが、トイレについての意識が低く、この20年で日本は何も学んでこなかったと言わざるを得ない」と指摘。東日本大震災後の調査では、避難した人の約70%が何も口にしていなくても6時間以内に排泄をしているが、60%以上の避難所で仮設トイレの到着に4日以上要しており、避難所では常に「簡易トイレ」を切実に必要としていたことを報告した。

 さらに「今日はぜひ一つだけ覚えて帰ってほしい」と携帯トイレを紹介。司会を務める声優の鈴木みこさんやパーソナリティーのうのちひろさんとともに携帯トイレの使い方をレクチャーし、「排泄回数や頻度は人によって異なる。自分の頻度を理解して、少なくとも1週間分は備蓄しておいてほしい」と訴えた。

旅行中の下痢=魔神ブウ?

 何につけ「超」を付けて楽しむのがニコニコ超会議の特徴だが、「エクストリーム=極限」もまたニコニコ超会議らしいネーミング。サブカルチャーファンに向けて医療情報を発信しようという意欲的な取り組みで、医療コンサルタントで医師の裴英洙(はい・えいしゅ)氏を進行役に、初日は3部に分けて開催。「カラーコンタクトレンズ」や「旅と下痢」などのテーマを扱った。

 「下痢と旅」=GERI&TABIをテーマに講演したのは、旅行医の資格も持つ、広島大学病院総合内科・総合診療科の岩本修一医師。9,000人規模のクルーズ客船での船医の経験もある岩本氏は、旅で下痢が発生する頻度について、人気漫画『ドラゴンボール』のキャラクターの戦闘力に例えて「ケガの発生率をフルパワーのフリーザだとしたら、下痢は魔人ブウくらい」と分かるような分からないような解説を展開。その上で、水や食事の安全ランキング、軍隊式の厳しい管理、ワクチンの3つのポイントで、「下痢のない楽しい旅を」と参加者に呼びかけていた。

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