2015年05月29日 06:00 公開

暑さ寒さに関連する死亡、日本は世界3位の多さ

13カ国・地域7,400人を調査

 日本から長崎大学熱帯医学研究所の橋爪真弘教授(小児感染症学)、筑波大学大学院人間総合科学研究科の本田靖教授(保健医療政策学)が参加した国際共同研究グループは、世界13カ国・地域の約7,400万人分のデータを調査した結果を、5月20日発行の英医学誌「ランセット」(電子版)に発表した。その中で、気温に関連した死亡率の高さで、日本は中国とイタリアに次いで3位にランクインしたと報告している。

世界で最も少ないのはタイ

 今回の研究では、日本(気温中央値15.3度)をはじめ、中国(同15.1度)、韓国(同13.7度)、台湾(同24.0度)、タイ(同27.6度)、オーストラリア(同18.1度)、英国(同10.4度)、イタリア(同15.4度)、スペイン(同15.5度)、スウェーデン(同7.5度)、米国(同14.9度)、カナダ(同6.5度)、ブラジル(同24.2度)の冷帯から亜熱帯までさまざまな気候の13カ国・地域384都市で1985~2012年に死亡した7,422万人の死亡者データを、各国の研究者が収集した。日本からは47都道府県からデータが集められている。

 集めたデータから、死亡率が最も低い気温を「基準値」とし、それ以上を「高気温」、それ以下を「低気温」、さらに気温を100に分けたうち低い方から2.5番目(2.5パーセンタイル)以下を「極端な低気温」、同じく高い方から2.5番目(97.5パーセンタイル)以上を「極端な高気温」に分類。さまざまな気温で死亡する危険性を推定した。

 その結果、全死亡者の7.7%(約572万人)が気温に関連すると推定された。気温関連の死亡が占める割合は、タイ、ブラジル、スウェーデンでは3%前後だったが、中国では11.00%と最も高く、それにイタリア(10.97%)、日本(10.12%)が続いた。

「暑さ」よりも「寒さ」で死亡が多い

 気温に関連した死亡のほとんどは低気温によるもの(全死亡の7.29%)で、高気温による死亡は0.42%にとどまった。また、「極端な高気温」や「極端な低気温」による死亡は全体の1%未満にすぎず、ほとんどが「極端な低気温」には至らない寒さによる死亡だった。国別のデータからは、日本でもその傾向が示されている。

 論文の筆頭著者である英ロンドン衛生熱帯医学大学院のアントニオ・ガスパリッニ氏は「これまで、極端な気温の高さや低さが死因になると考えられ、特に熱波による影響が注目されてきた。しかし、過去最大規模の今回の研究からは、そのほとんどが猛暑には至らない暑さや寒さに起因していることが示された」と説明。熱波や猛暑対策に偏った各国の公衆衛生政策についても見直しが必要ではないかとコメントしている。

(あなたの健康百科編集部)

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