2015年06月30日 10:30 公開

夕方~夜のストレスが体内時計を乱す―早大が動物実験

朝のストレスより影響大

 人の体には1日24時間のリズムを刻む体内時計(概日リズム=サーカディアンリズム)が備わり、体に昼や夜の情報を与えて健康を維持しているとされる。その体内時計がストレスによって乱され、朝よりも夕方~夜に受けるストレスの方が影響が大きいことが、早稲田大学理工学術院の柴田重信教授らによって分かった。マウスを使った動物実験での結果だが、人間に当てはめた場合、シフト制で働いている人は時差ぼけで体内時計が乱れている可能性があるという。詳細は、6月15日発行の英科学雑誌「Scientific Reports」(2015; 5: 11417)に掲載されている。

ストレス続くと"慣れ"て体内時計も正常に

 柴田教授らは、マウスが普段、眠っている時間に狭い場所へ閉じ込める「拘束ストレス」を2時間加えた後、マウスの体内時計を測ったところ、肝臓、腎臓、唾液腺、副腎、脳内の海馬や大脳皮質などの体内時計が早まり、概日リズムが激しく乱れていた。

 次に、ストレスを加える時刻を変えてみたところ、朝(マウスの起き始め)には全く影響がなかったが、夕方では体内時計が遅れていた。さらに夜(マウスの寝始め)では、肝臓と唾液腺の体内時計の時刻が真逆になり、腎臓では体内時計が止まるなど、体の中が時差ぼけ状態になっていたという。

 人はストレスに対して慣れる仕組み(ストレス耐性)があり、ストレスが続くとストレスホルモンの分泌も弱まるとされている。今回の研究では、週3日間のストレスを5週間続けたところ体内時計の乱れは見られなくなり、マウスの体内時計にもストレスに対する"慣れ"があることが分かった。

 また、「拘束ストレス」以外に、自分より体の大きなマウスと対面する「社会的恐怖ストレス」や、高くて小さいステージに乗せる「高所不安ストレス」などでも体内時計が乱れたという。

軽いストレスは体内時計を微調整

 以上の結果について柴田教授らは、人でも同じことが当てはまるのかなどを課題としつつ、「この結果を人に当てはめると、朝よりも夕方から夜間のストレスが体内時計を乱しやすいので注意が必要。夜間交代勤務などのシフト制で働く労働者は時差ぼけかつ体内時計が乱れていると考えられるが、夜勤中のストレスがその影響をさらに強める可能性がある」とコメントした。

 一方で、ストレスには光や食事に匹敵する力があり、体内時計の微調整には軽いストレスが重要かもしれないと推測。運動やトレーニングは、そうした軽いストレスとして応用できることが示唆されたとしている。

(あなたの健康百科編集部)

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