2015年06月30日 06:00 公開

働く女性の死亡リスク、常勤よりもパートや自営で高い

パートで1.48倍、自営で1.44倍

 日本の働く中高年女性1万7,000人を調べた研究(JACC study)から、常勤の女性よりもパートや自営の女性の方が死亡する危険度が高いことが分かったと、大阪大学大学院医学系研究科の本庄かおり特任准教授(公衆衛生学)が報告した。死亡リスクはパート勤務で1.48倍、自営業でも1.44倍だったという。詳細は、6月4日発行の公衆衛生専門の国際誌「Journal of Epidemiology & Community Health」(電子版)に掲載されている。なお、日本の女性を対象に就業の形と長期の死亡リスクとの関連を検討した研究は、今回が初めて。

教育レベル低い女性でより関連強い

 本庄准教授らは、日本の大規模研究である「JACC study」に参加した40~79歳の女性1万6,692人を、平均で17.7年間(最長20年間)追跡調査した。就業形態の内訳は、(1)常勤5,126人、(2)パートタイム6,698人、(3)自営業4,868人。追跡期間中に1,019人(6%)が死亡した。

 年齢や住んでいる地域、教育レベル、結婚、子供の数などの影響を取り除いて分析した結果、死亡リスクは常勤に比べてパートタイムで1.48倍、自営業で1.44倍高かった。就業の形と死亡リスクの関連は、特に教育レベルが低い人たちで強かったという。

 また、独身の自営業の女性では、既婚の自営業の女性に比べて死亡リスクが高い傾向にあることが示されている。なお、健康に問題がある女性はパートタイム勤務を選ぶ可能性があることから、主な病気にかかったことのある女性は対象から外している。

家事や子育ての負担も影響?

 女性は働いていても家事や育児の大半を担うことが多く、二重・三重の役割を担うことは健康にも何らかの影響を及ぼす可能性がある。また、家事や育児を両立するため、パートタイム勤務などを選ぶ女性も多いが、こうした就業形態は常勤に比べ、勤務の形がより自由に選べる利点がある一方、労働条件にさまざまな不利益があり、健康に悪影響を及ぼす可能性があるという。

 またこれまでの調査では、自営業の男性は裁量の範囲が広く、健康にも好影響を及ぼしていることが分かっているが、女性にはこうした影響が認められていない。今回の結果は、これと一致している。

 しかし、本庄准教授らは「就業形態は登録時のもので、追跡期間中に変化したかどうかはチェックしていない。そのことが影響した可能性は否定できない」「都市部に住んでいる女性が含まれておらず、日本人の女性全体を代表しているわけではない」―などを研究の限界点として挙げ、今回の結果が必ずしも一般に当てはまるわけではないとしている。

(あなたの健康百科編集部)

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