2015年07月17日 06:00 公開

新薬でC型肝炎患者の負担は減るのか、専門家が講演

患者の声も紹介

 C型肝炎(C型慢性肝炎)の治療には長らくインターフェロンが使われていたが、副作用に悩まされ、治療を断念したり、仕事を辞めざるを得なかったりする人がいた。しかし近年、インターフェロンを使わない治療が登場し、患者にとって福音となっている。7月14日に東京都内で開催されたギリアド・サイエンシズ主催のプレスセミナーでは、専門家である国立国際医療研究センター国府台病院(千葉県市川市)の溝上雅史医師がC型肝炎の最新治療について講演。インターフェロンが不要な新薬「ハーボニー」(一般名・ソホスブビルとレジパスビルの合剤)や、患者の声なども紹介された。

重い副作用のインターフェロン

 国内のC型肝炎患者は現在、150万~200万人いるといわれている。病原のC型肝炎ウイルスは日常生活では感染はせず、感染している人の血液が他の人の血液に入ることによる血液感染がほとんどだ。

 どうやって国内で感染が拡大していったのか。溝上医師は、初期の要因として寄生虫の日本住血吸虫を駆除するための注射を挙げている。実際、日本住血吸虫の流行した地域と肝臓がんの死亡率が高い地域は合致していることが知られている。また、戦中の戦意高揚、戦後の社会的混乱で覚醒剤(ヒロポン)が多用されたことにも要因があり、その後も買血制度や献血などによって感染が拡大していった(現在は献血による新規感染はほぼ認められていない)。

 C型肝炎の治療には長らく、インターフェロンという薬が使われていたが、副作用の問題が大きく、治療の妨げとなっていた。しかし、昨年にはインターフェロンを使わなくてよい薬が発売され、今年にはさらなる治療効果が認められた「ハーボニー」が登場している。

うつや高齢で断念していた患者も治療可能に

 治療は大きく進歩したが、患者の捉え方はどうなのだろうか。患者からの電話相談を受けているNPO法人「東京肝臓友の会」の米澤敦子さんによると、「ハーボニー」に対して「うつや高齢でも治療を受けられるか」「インターフェロン治療は副作用がきつく日常生活に支障を来すのが怖く、家族や職場に知られてしまうので受けられなかったが、今回の治療では副作用が軽いのか」など、今までは治療を断念していた患者からの相談が寄せられているという。

 溝上医師は「臨床試験では、高齢者が多く含まれていたにもかかわらず、『ハーボニー』は100%のウイルス駆除率が認められた。また、副作用の発現率も低く、治療による生活の質(QOL)への影響も認められなかった。実際、患者さんからも副作用でつらいという訴えはほとんど経験していない」と述べている。

 注意すべき点として「こうした高い治療効果を得るためには、決められた用量をきちんと守って服用すること」が大切であり、「ウイルスを駆除した後も定期的なフォローアップが重要」と助言している。

(佐藤光延)

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