2015年09月02日 06:00 公開

長時間労働で脳卒中リスク3割増―欧米17研究を分析

心臓病リスクは13%増

 長時間働く人は脳卒中になりやすいことが、欧米の17研究を対象とした分析で分かった。8月20日発行の英医学誌「ランセット」(電子版)に掲載された論文によると、労働時間が週55時間以上の人は、週35~40時間の人に比べて脳卒中になる危険度が33%上昇した。また、心臓病のリスクも13%上がっていたという。

労働時間が長くなるほどリスク高まる

 長時間労働が心臓や血管の病気になりやすくさせる可能性は、これまでにも複数の研究で示唆されていた。しかし、否定的な結果は公表されにくいという偏り(出版バイアス)があった可能性や、経済状況などが考慮されていなかったことなどの限界があった。また、長時間労働と脳卒中の関連ついて検討した研究は、これまで少なかったという。

 そこで、英ロンドン大学(ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン)のミーカ・キビマキ教授(公衆衛生学)らは今回、2014年8月までに発表された欧州や米国、オーストラリアの研究を、出版バイアスや経済状況を考慮して解析した。

 その結果、17研究(52万8,908人)の解析から、労働時間が週35~40時間の人に比べ、脳卒中になる危険度が週41~48時間の人で10%、週49~54時間の人で27%と高まっていき、週55時間以上では33%高かった。この関連は、喫煙や飲酒、運動量、高血圧などの影響を除外しても認められたようだ。

 また、25研究(60万3,838人)の解析からは、週55時間以上働く人で心臓病になる危険度が13%高まっていたという。

長時間労働者の健康管理強化を

 今回の結果についてキビマキ教授らは、長時間労働と脳卒中リスクの関連にはストレスが影響している可能性を指摘。また、運動量が減ったり飲酒量が増えたりなど、その人の行動が影響した可能性もあると考察している。

 その上で、キビマキ教授らは「長時間労働している人に対し、(高血圧などの)心臓や血管の病気を引き起こしやすい状態の管理を強化する必要がある」と結論した。

(あなたの健康百科編集部)

関連トピックス

関連リンク(外部サイト)

ファーマトリビューン(PharmaTribune)