2015年09月03日 14:00 公開

おなかで30倍に膨らむ「バジルシード」「チアシード」に挑戦

ダイエット食品

 巷にあふれるさまざまなダイエット食品。中でも最近、話題なのが「バジルシード」と「チアシード」だ。胃の中で10倍以上膨らむという夢の低カロリー食材は、本当にダイエットに向いているのか? 実際にこの2つを食べ比べてみた―。

コンニャクと同じ成分が膨らむ

 ダイエットに挫折した方であれば、共感していただけるだろうが、食事制限をする際の最大の敵はなんといっても空腹感である。無論、ゼリーなどのノンカロリー食品もあるが、あれらは水分が多いためにすぐ吸収されてしまうのか、腹持ちが悪過ぎて結局は空腹感と闘うことになってしまうのだ。

 そんな中、以前から空腹感を満たす手段の一つとして、たびたび注目を浴びている食品がある。それが「バジルシード」と「チアシード」だ。これらは名前の通り植物の種(シード)で、イタリアなどでよく使われるハーブ、バジルの種と、バジルと同じシソ科の植物であるチアの種である。

 これらには、「種がぬれると、表面の水溶性の繊維(コンニャクなどの成分としても知られるグルコマンナン)が水を取り込んで膨らむ」という性質があり、バジルシードは元の30倍、チアシードは10倍ほど膨らむといわれている。食物繊維といえば消化吸収が遅いため、腹持ちが良いことで知られ、さらには糖尿病、心筋梗塞、便秘などを予防する効果があるという健康的な栄養素。これらが能書き通りであれば、かなりダイエットに役立ちそうだ。

チアシードの方が高カロリーも栄養価は高め?

 なお、調べてみると、双方には、かなりのカロリーの差があることが発覚。100グラム当たりで、バジルシードが100キロカロリーなのに対し、チアシードは500キロカロリーもある。

 その他の栄養価は、チアシードが食物繊維、必須脂肪酸のオメガ3、オメガ6、植物性タンパク質に、8種類の必須アミノ酸、葉酸、鉄分、カルシウムなどが含まれているのに対して、バジルシードは植物性のタンパク質、アミノ酸、必須脂肪酸のオメガ3と、チアシードよりも少なめのようだ。

 もちろん、これは膨らむ前の状態でのカロリーのため、チアシードも水に浸せば1,000グラムで500キロカロリーしかない、十分な低カロリー食品になる。とはいえ、ダイエットに使うには圧倒的にバジルシードの方が良さそうに感じてしまうが、世間では今、チアシードの方が人気のようだ。果たして、それは何故なのか。

味や食感、臭い...意外と大きい両者の違い

 そこで、今回はその2つを購入し、実際に味や食べやすさ、腹持ちなどを実際に確かめてみることにした。

 5グラムほど取り出してコップに入れてみる。左がチアシード、右がバジルシード。チアシードは黒っぽいのから白っぽいのまで色にバラつきがあり、無臭。バジルシードは全てが黒で、バジルの香りが少しする。そのまま口に含んでみると、両方とも最初は種そのものという感触だが、だんだんと口の中で膨らんでいくのが分かる。

 200ミリリットルの水を注いで10分ほど放置すると、このようになった。両方ともゼラチン質のようなものが種の周りにできたが、前情報通り、バジルシードの方がチアシードに比べて膨張率が高いようだ。

 また、チアシードのゼラチン質のような部分は透明度が高いが、バジルシードは白っぽいという違いもあるか。食べてみると、前者はヌルヌルした食感で、まさにゼリーの付いた種という感じだが、後者はやけに繊維質を感じ、まるでブドウを食べているような食感。また、種の匂いも膨らんでしまうと全然気にならなくなっていた。個人的な好みとしては、「物を食べている!」という実感を強く得ることができるバジルシードの方に軍配が上がるか。

料理との相性は...?

 続いて、夕食と夜食に同じメニューを用意し、それぞれを混ぜることで、料理との相性などを比べてみた。まずはポピュラーに、家にあったスポーツドリンクで比較。こちらで気付いたこととしては、チアシードは普通の水と変わらないような膨らみ加減だったが、バジルシードの方は膨らみ加減が少なくなった。

 また、チアシードに関しては浮いている種と沈んでいる種に分かれたため、飲むと口全体に種のゼラチン質を感じ、ドリンク全体がトロッとしたような食感になったが、バジルシードの方は全て沈んでいるため、「タピオカ的な何か」という感じになった。これに関してはどちらも非常においしいので、甲乙付け難いか。

 次に白米。これは膨らまないため、バジルシードは香りがそのまま残っている。トマト系の味付けと合いそうだが、人を選ぶ味かもしれない。チアシードに関しては、無味無臭のため、比較的食べやすいと言えそうだ。

 念のため混ぜ込んでみたが、こちらでも米の水分を奪って膨らむようなことはなかった。

サラダにはバジルシード、スープにはチアシード

 次に、サラダにトッピングとして乗せてみる。ドレッシングの水気である程度は膨らむかと予想していたが、油では膨らまないらしく、ほぼ種のままだった。無味無臭のチアシードはもちろん、バジルシードの香りも野菜に合うため、とても美味。個人的な意見ではバジルシードの方が合うと言える。

 最後に、固形スープの素を溶かした中に具として入れてみた。お湯の温度のせいか、あるいは塩分などが入っているせいなのか、やはりバジルシードは水の場合ほど膨らまない。バジルシードは、塩味のスープに「タピオカっぽい何か」が入っているという違和感が強いため、これに関してはチアシードの圧勝という結果になった。

それぞれの長所を生かした使い方を

 上記の通り、さまざまな食材で試してみたが、単純にカサ増しをして満腹感を得るという意味では、バジルシードの方が優れているものの、バジルの香りがするため、無味無臭のチアシードに比べて合わせる料理を選ぶということが分かった。

 腹持ちに関しては、食物繊維が多いという知識から来る先入観からか、バジルシードの方が良いような気がした。しかし、いずれもそのままで食べる場合は、比較的少ない量で満腹になる上、腹持ちが持続したような印象を受けた。また、上で述べたカロリーの差に関しては、食べ物に混ぜて使うような形であれば一度に多くても10グラム程度しか使わないため、それほど気にする必要はなさそうだ。

 少なくとも、満腹感という意味に関してはかなり効果がある両者。無味無臭で何に混ぜても合う上、栄養価の高いチアシード、若干のクセはあるものの、低カロリーで膨張度が高く、満足感を得やすいバジルシード、双方の特徴を理解した上で併用し、それぞれ合う料理などを考えてみるのも楽しいのではないだろうか。

(あなたの健康百科編集部)