2015年12月03日 06:00 公開

エイズ関連死が4割減、世界エイズデーで国連機関が報告

新たな感染も35%減―UNAIDS

 1981年に初めて報告されて以来、これまでに世界で3,000万人以上の命を奪ったとされるエイズ。しかし、状況は改善に向かいつつあるようだ。12月1日の「世界エイズデー」に関連して発表された国連の専門機関「国連合同エイズ計画(UNAIDS)」の報告書によると、2014年にエイズ関連で死亡した人は120万人で、ピークの2003~06年(年間200万人)と比べて42%減ったことが分かった。また、新たにHIV(エイズウイルス)に感染した人も、最も多かった2000年から35%減ったという。ただし、日本国内では新たなHIV感染者数は過去3位となる1,091人で、20歳代に限定すると過去最高を記録している。

治療普及率も4年で2倍近くに

 報告書によると、2014年末時点の世界のHIV感染者は3,690万人。2015年3月時点で治療を受けているHIV感染者は1,500万人で、2010年と比べて大人では23%から41%に、子供では14%から32%に増加。エイズ治療の世界的な普及度が上がっていることが示された。

 また、2014年に報告された新たな感染も、2000年の310万人の35%減となる200万人。治療の普及は妊娠中に母親から赤ちゃんに感染する「母子感染」を防ぐことにもつながり、子供の新規感染は2010年から14年にかけて58%減少した。エイズに関連した死亡者数は120万人で、最も多かった2004年の42%減だった。

「2030年までにエイズ根絶」にはさらなる努力必要

 こうして、エイズを取り巻く世界的な状況に「大きな前進が見られた」(WHO担当官)結果となったが、国連が掲げる「2030年までのエイズ根絶」を達成するにはさらなる努力が必要なようだ。WHOは、目標達成のためには各国の保健当局が中心となり、大胆なアクションを起こす必要があると呼びかけている。

 WHOの担当官は「依然として、世界のHIV感染者の約半分は自分の感染に気づいておらず、自らの命を救い、ほかの人への感染も防ぐことにつながる治療を受けていない」と指摘。こうした人たちに対する検査や治療、感染予防などの取り組みを強化していく必要があると強調している。

 なお、日本では過去3位となる1,091人の新規感染者が報告されており、新たにエイズを発症したのは過去4位の455人。近年は減少傾向にあるものの、累計報告数は2万4,000人を超えた。また、20歳代に限定すると新規感染は349件で、過去最高を記録している。

(あなたの健康百科編集部)

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