2015年12月11日 15:00 公開

冷え性対策、靴下の重ね履きは逆効果!? 専門家が指摘

12月4日放送NHK・Eテレ「団塊スタイル」より

 手足が冷たくて仕方がない、布団に入っても体が冷えて寝られない...この時期、冷え性(冷え症)で苦労している方も多いのでは? 本格的な冬を迎える前に、12月4日放送のNHK・Eテレ情報バラエティー番組「団塊スタイル」では、冷え性の改善方法を伝授。靴下の重ね履きやしょうが湯を飲んで温まることなどの冷え性対策は逆効果なことや、ウオーキングやストレッチが改善方法として効果的なことが紹介された。これであなたも冷え性の悩みから解放されるかも?

冷え性は3タイプに大別

 番組ではまず、北里大学東洋医学総合研究所(東京都港区)鍼灸診療部の伊藤剛部長によって冷え性が起こる原理が紹介された。人間の体は交感神経が働いて血管の太さを調節し、体温を脳など臓器の活動に最適な37度に保つ仕組みになっている。外気が暑いときには末端まで血液を巡らせることで放熱して体温上昇を防ぎ、逆に寒くなると末端の血管を収縮させて熱を逃がさないようにする。冷え性は、交感神経に異常が起きてこうした体温の調整ができなくなったために起きるのだという。

 冷え性はみんな同じと考えている人は多いと思うが、冷え方、冷える場所、冷える程度はさまざまで、原因は複雑に絡み合っているのだとか。伊藤部長は、冷え性を「四肢末端型」「内臓型」「下半身型」の3タイプに分類している。四肢末端型冷え性は、交感神経の過剰な働きによって、外気が暖かくても末端の血管が収縮したままになることで起きる。手足の先が冷たくなるケースで、10歳代から20歳代の若い女性に多いという。

 内臓型冷え性は、加齢などによって交感神経の働きが鈍くなると起きるもの。寒くなっても末端の血管を収縮させることができず、血液が体の表面を流れて放熱が続き、体内の温度が下がってしまうのだ。そのため、手足はぽかぽかなままだが、二の腕や太もも、おなか、腰などが冷えるようだ。

 下半身型冷え性は、腰から下だけが冷えるという高齢者に多いタイプ。女性だけでなく男性にも多いのも特徴だ。これは、加齢などによって腰や尻の硬くなった筋肉が交感神経を刺激して、下半身の血管を収縮させるために足が冷たく感じるというものだそう。

電気毛布も逆効果

 冷え性の予防として、靴下を重ねて履く、寝るときに電気毛布を使う、しょうが湯を飲んで温まるなど、さまざまな努力をしている人は少なくないだろう。だが、伊藤部長は番組で、こうした予防法は必ずしも正しくないと指摘した。

 まず、靴下の重ね履きは必ずしも冷え性予防にはならない。血管が圧迫されてかえって血流を悪くするだけでなく、綿の靴下は汗が乾きにくく冷える原因にもなる。重ね履きするなら、汗を逃がしやすい繊維を選んだ方がいいそうだ。

 また、電気毛布を使うと、体に熱がこもり汗をかいて放熱しようする「うつ熱状態」になるだけでなく、慢性的に熱を逃がしやすい体になって冷え性を悪化させることもあるとか。使うならば寝る前に布団を温めておく程度がいいと伊藤部長は助言する。

 最後にしょうが湯だが、実は温かくなったと感じているだけで、体温は上がっていないらしい。生のショウガには体を冷やす働きがあるからだ。一時的に手足の末梢血管を広げて血流を良くする効果はあるが、これは熱を手足に送り出しているだけで、逆に体の中心部は冷えてしまうという。

ウオーキングとストレッチが効果的

 そこで気になる「正しい冷え性対策」について、伊藤部長は「ぶらんぶらんウオーキング」と「足指ストレッチ」を勧めた。ぶらんぶらんウオーキングは手足を大きく振って歩く方法。大股で後ろ足を蹴るように歩き、肩の力を抜いて手を大きく振ることが肝心。「第二の心臓」といわれるふくらはぎの筋肉をしっかり使うことでコリをほぐし、手を大きく振ることで、遠心力で指先まで血液を行き渡らせることができるという。

 一方、足指ストレッチは椅子などに座って足を組み、上に乗せた足の指全体をつかんで足裏方向に強く曲げ、ぱっと離すというもの。血流を止めてから解放することで、血液が勢い良く指先に流れるそうだ。これを片足ずつ、5回繰り返すといいとのこと。番組で体験したゲストの女優・酒井和歌子さんは「血が流れていくのを感じた」と驚いていた。

 番組の最後に伊藤部長は、若い女性に向けて「ファッション重視で体が冷える服装をしたり、太らないようにダイエットをしたりする人が多い。食べないと熱源がなくなるので、まずはそうした生活習慣を変えていかないと」とアドバイスした。

(萩原忠久)

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