2016年02月10日 06:00 公開

食べる順番で食後の血糖値が改善―関電医学研究所

ご飯の前に肉や魚

 糖尿病の予防や治療では食事の量や質の管理が欠かせないが、食べる順番にも気を配ると良いかもしれない。関西電力医学研究所の研究グループは、肉や魚を食べてからコメのご飯を食べると、食後の血糖値の上昇を抑えられるとの研究結果を、昨年12月24日発行の欧州糖尿病学会機関誌「Diabetologia」(電子版)に報告した。

食事の量や内容は重視されてきたが...

 食生活の欧米化を背景に、日本でも糖尿病患者が増えている。糖尿病の治療では血糖値を適正な範囲に維持することが重要だが、特に食後は血糖値が上がりやすい。

 それを抑えるためには、食事の量や内容はもちろん、ホルモンを分泌する能力が重要で、最近は血糖値を正常に保つインスリンの分泌を促すGLP-1やGIPなどの「インクレチン」というホルモンが注目されている。

 研究グループは今回、BMI(肥満指数)35以下で30~75歳の健康な10人と、糖尿病(2型)患者12人(HbA1c 9.0%以下)を対象に、コメのご飯を食べてから魚(サバの水煮)を食べた場合と、魚(同)か肉(牛肉の網焼き)を食べてからコメのご飯を食べた場合の、食後4時間の血糖、インスリン、インクレチンなどの値を測定した。

会席料理の科学的妥当性を示す

 その結果、健康な人か糖尿病患者かにかかわらず、「ご飯→魚」群に比べて「魚→ご飯」群または「肉→ご飯」群では、食後4時間の血糖値の上昇や日内変動(1日の中での血糖の増減)が抑えられた。

 「魚→ご飯」群と「肉→ご飯」群ではインクレチン(GLP-1)の分泌も促進され、胃で分解されたご飯が小腸に移動して吸収されるまでの時間(胃排出時間)が延長していた。GLP-1の分泌促進作用や胃排出時間の延長効果は「魚→ご飯」群と「肉→ご飯」群で同等だったが、別のインクレチン(GIP)に関しては「肉→ご飯」群でより強力に分泌が促進されることも分かった。

 これまで研究で、ご飯よりも野菜を先に食べると、野菜に含まれる食物繊維が小腸からの糖や脂質の吸収を抑え、それによって食後の血糖値上昇が抑制されることが報告されている。研究グループは、こうした報告も併せて考慮すると、最初に野菜を食べ、次に肉や魚、最後にご飯や果物を食べれば、食後の血糖値上昇をより効率的に抑えられる可能性があるとしている。

 さらに、研究グループは「先付け(前菜)に続いて向付(刺身)や鉢魚(焼き物)といった魚料理、そして最後に米飯や果物が供される日本の会席料理の科学的妥当性が示された」と説明。今後、食べる順番による効果を期待できる魚料理や肉料理の種類や量、魚や肉の後に米飯を食べるタイミング、食べる順番の長期的な効果などについて検討したいとしている。

(あなたの健康百科編集部)

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