2016年04月26日 18:30 公開

エコノミークラス症候群を知ろう...ガイドブック公開

日本血栓止血学会

 熊本地震による避難生活が長引く中、長時間同じ姿勢で過ごすことによって発症しやすくなる肺塞栓(そくせん)症、いわゆるエコノミークラス症候群をいかに防ぐかが課題となっている。肺塞栓症は、血の流れが悪くなることでできる「血栓」と呼ばれる血の塊ができ、それによって血管がつまってしまう「血栓症」の1つ。こうした血栓症の予防や治療に詳しい医師や研究者の団体である日本血栓止血学会が、一般向けに肺塞栓症を含む血栓症についてわかりやすく説明した『知って得する血管のおはなし 血栓症ガイドブック』を公式サイトで公開した。全16ページに血栓症の予防法や治療法がイラストを交えてコンパクトにまとめられている。同学会は「被災地でのエコノミークラス症候群の予防に役立ててほしい」としている。

血栓症のかかりやすさを確認できるチェックリストも

 肺塞栓症は血栓症の1つで、脚の静脈の流れが悪くなることでできた血栓が肺に運ばれ、肺の血管をつまらせてしまう病気だ。長時間同じ姿勢で過ごすと起こりやすく、また、脱水状態や血管の壁の傷もその引き金になることが知られている。

  「エコノミークラス症候群」と呼ばれてはいるが、肺塞栓症は飛行機だけでなく自動車や電車でも起こる可能性はある。また、手術を受けた後や出産後、入院中の人の他、デスクワークや劇場、映画館でも同症候群にかかる危険性は高まる。さらに、災害時の避難所や車中での避難生活でも起こりやすいことが分かっており、今回の熊本地震だけでなく、東日本大震災や新潟県中越地震でも多くの被災者が同症候群にかかったと報じられている。

 『知って得する血管のおはなし 血栓症ガイドブック』では、どんな人が血栓症になりやすいのかを簡単に確認できる「血栓症チェックリスト」の他、血栓症の原因や予防法、肺塞栓症の症状などについて、イラスト入りでわかりやすく説明。肺塞栓症の予防に関しては、歩行や足首などの運動や水分補給の他、脚の動きを妨げないような、ゆったりとした衣服を選ぶようアドバイスしている。

  なお、同学会からはこのパンフレットの他、今回の熊本地震の発生後に被災者の肺塞栓症予防に関する緊急提言が発表されており、この中でも避難生活での肺塞栓症の予防法や注意事項などが示されている。

 (あなたの健康百科編集部)

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