2016年05月02日 06:00 公開

男児の6人に1人、農村部でも肥満の子供が急増―中国

生活習慣の欧米化が背景に

 近年の急速な経済発展や生活習慣の欧米化などを背景に、中国では肥満児が増え続けている。これまで、子供の肥満率が高いのは都市部だと考えられていたが、農村部でも2014年の時点で男児の6人に1人、女児の10人に1人が肥満であることが中国・山東大学予防医学の研究グループの調査から明らかになった。調査結果の詳細は4月27日発行の欧州の医学誌「European Journal of Preventive Cardiology」(電子版)に掲載された。

女児よりも男児を優遇する文化が男女差につながった?

 研究グループは、1985年から2014年にかけて山東省で実施された6件の調査データに基づき、過去29年間に子供の肥満率がどのように推移しているのか分析した。同省の農村部に住む7~18歳の子供2万7,840人を調べたところ、肥満児の割合は29年前には1%未満だったが、その後急激に増加。2014年には男児の17%、女児の9%が肥満だった。肥満の基準は満たしていないが、太り気味の子供(過体重児)の割合も、この29年間に男児では0.74%から16.35%に、女児では1.45%から13.91%に増えていた。

 調査を主導した同大学予防医学研究所の張迎修氏は、「農村部でも世帯収入の増加に伴い過体重や肥満の子供が増えていることが分かった。こうした傾向は、山東省だけでなく他の地域でも引き続き見られるだろう」との考えを示し、「政策立案者は都市部だけでなく農村部でも肥満対策に注力すべきだ」と主張。また、肥満児が増えた原因の1つとして食生活の欧米化を挙げ、「伝統的な中華料理から、脂肪やカロリーが多い食事に変化したことが影響したのではないか」と推察している。さらに、肥満児の割合が女児に比べ男児で高かった点については、中国では女児よりも男児の方が優遇される文化的な背景があるからではないかとの見方を示している。

 一方、この調査報告について、欧州心臓病学会のスポークスパーソンでスウェーデン・リンネ大学のユップ・ペルケ教授は「かつて見たことのない爆発的な増加。今後、中国では心臓病や糖尿病も増え、欧米化されたライフスタイルが広がる一方で多くの人が命を落とすことになる」と警鐘を鳴らしている。また同教授も「中国人はジャンクフードを食べる代わりにかつての食生活を取り戻すべきだ。親は子供の食事について責任を持ち、より健康的な食事を選ぶよう仕向けるべき」と食生活の改善を呼びかけている。

(あなたの健康百科編集部)

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