2016年05月09日 10:30 公開

ピルで緑内障に、3年以上服用でリスク2倍―米調査

 経口避妊薬(一般的な飲むタイプのピル)を3年以上使用したことがある女性は、ピルを使用したことがない女性に比べて緑内障にかかるリスクが約2倍に高まっていたとする調査結果が、4月発行の米国眼科学会誌「Ophthalmology」(2016;123:729-36)に掲載された。調査を実施した米カリフォルニア大学サンフランシスコ校の研究グループは、「ピルによるホルモンの周期的な変動への影響が緑内障の発症に関係している可能性がある」との考えを示している。

閉経が早い女性は緑内障リスク高いとの報告も

 緑内障とは視神経に障害が起こり、少しずつ見える範囲が狭くなっていく目の病気だ。日本では失明の原因として第1位を占めている。親が緑内障の人は自身もかかりやすく、また男性に比べ女性で、若い人に比べ高齢者で発症する危険性が高いとされている。

 さらに以前から、こうした人たちの他に、どんな人が緑内障にかかりやすいのか、他にどのような要因が影響しているのかを明らかにするためにさまざまな研究が行われてきた。研究グループによると、その中で女性ホルモンの一つであるエストロゲンには視神経を守る働きがある可能性が浮上。一方、閉経するとエストロゲンが急激に減少するが、閉経が遅い女性に比べ早い女性では緑内障の危険性が高いとの調査結果も報告されているという。

 この他、女性のエストロゲン分泌量に影響するのがピルだ。低用量ピルは、服用すると血液中のエストロゲン量が少なくなる働きを利用して受精卵の着床を防ぐ。そこで、研究グループは今回、2005年から2008年にかけて米国で実施された国民健康・栄養調査に参加した40歳以上の女性3,406人を対象に、ピルの使用歴が緑内障または高眼圧症(視野が欠けるといった症状はないが眼圧値が正常値を超えている状態)を発症する危険性に関係しているかどうか調べた。その結果、ピルを3年以上使用したことのある女性では、使用したことのない女性に比べて緑内障・高眼圧症にかかる危険性が1.94倍に高まっていたという。

 なお、研究グループによると、今回の調査対象となった女性が使用していたピルの種類は調べられていないが、米国ではエストロゲンとプロゲステロンの配合剤で「一相性」と呼ばれるタイプ(1服用サイクルで薬に含まれるホルモン量が変わらないタイプ)の使用が主流という。同タイプを含め、米国で使用されているピルのほとんどは自然な月経周期とは異なるホルモンの変動をもたらすため、このことが緑内障の発症に関係している可能性があると同グループは説明している。

(あなたの健康百科編集部)

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