NY最新健康事情
2016年05月09日 06:00 公開

NYで自閉症の子供と生きる

 ニューヨーク(NY)市ブルックリン区に住む、現在44歳のクニコさん(仮名)。彼女の4歳になる息子のマーク君(仮名)は3歳の時、発達障害の「自閉症」と医師から診断されました。クニコさんは明るい性格で笑顔の素敵な女性ですが、子供に発達障害の可能性があると知ったばかりの頃は、全く違ったそうです。「子供のことばかり考えて自分を犠牲にし、心配と不安が絶えず夫ともぶつかることが増え、いつも切羽詰まって苦しんでいました」

子供の治療と同じくらい大切なものとは?

 マーク君は、1歳半を過ぎても全く言葉が出ず、3歳の時点で10単語程度しか話せなかったとのこと。ところが、4歳を過ぎた時に突然、医師もびっくりするほどたくさんの言葉を話し出したそうです。「セラピストのアドバイスで飲み始めた『PhosCol(フォスコル)』というサプリメントが効いたように思う」とクニコさん。食生活や栄養摂取の工夫も大切なのかもしれません。

 マーク君は現在、NY市の特別教育(special education)を受けていて、朝食、自宅からの送迎バス、合った教育、発達支援専門の学校の紹介、スピーチセラピー、ABAセラピー(応用行動分析)、作業療法、行動療法などが全て無料で受けられるとのこと。NY市のサポートはすごいですね。

 しかし、最も"衝撃的に"彼女を変えたのは、「子供よりも自分を大切にする」という価値観だったのだそう。「子供にとって一番の幸せは、安心した母親と一緒にいることだと、セラピストに言われたことが大きな転機となりました。それからは、子育てはある程度適当に、自分の時間、やりたいことを大切にするようになりました。つらいと感じることは無理してまでやらず、もっと夫に助けてもらうことも学びました」

 その結果、自分は楽になり、子供は自分で成長し始め、夫とぶつかることも減少、家族皆が良い方向に向かっているそうです。「子供の障害も、それに伴う経験も、今では神様が私たちに与えてくださった宝物のように感じています。言葉では表しきれない感謝でいっぱいです」とクニコさん。

 安心した母親、適切な栄養、協力的な夫、優秀なセラピスト...。実はこれ、全ての人の心と体の健康に大切なものかもしれませんね。

スタントン治子(すたんとん・はるこ)

 1967年、神戸市生まれ。1983年からインストラクター、トレーナーの仕事を開始。体が弱かった幼少期、股関節に障害を負った10代の経験から、体の構造、健康について学ぶ。1994年、東京にてパーソナルトレーニングサービス開始。女優・大竹しのぶさんや、ヴァージン・アトランティック航空元日本支社長(現香港エリアマネジャー)のポール・サンズ、チエコ夫妻ら多くの著名人・財界人にトレーニングを提供。2014年、結婚を期にニューヨークへ移住し、同地でもパーソナルトレーナーとして活動を開始した。「STANTON'S」代表、健康運動指導士、インド中央政府認定ヨガインストラクター。