2016年06月29日 06:00 公開

片頭痛持ちは心臓病に注意、リスク1.5倍

米国人女性11万人調査

 片頭痛のある女性は、ない女性に比べて心臓病にかかる危険性が高いとする調査結果を米ブリガム・アンド・ウイメンズ病院の研究グループが5月31日発行の英医学誌「BMJ」(2016; 353: i2610)に発表した。米国人女性約11万人を20年間追跡調査したところ、片頭痛があった女性ではなかった女性に比べて心臓病や脳卒中などの心血管病にかかるリスクが1.5倍だったという。

台湾やアイスランドからも類似した報告が

 研究グループは、心血管病にかかったことのない米国の25~42歳の女性看護師11万5,541人を1989年から2011年まで追跡調査した。この間に1,329人が心臓病や脳卒中などの心血管病にかかり、223人がそれによって死亡していたが、片頭痛があった女性では、なかった女性に比べて心血管病にかかったり、それによって死亡するリスクが1.5倍に高まることが示されたという。

 なお同グループによると、米国の一般女性を対象とした調査でも、片頭痛のある女性では心血管病リスクが1.4倍、心血管病による死亡リスクが1.6倍に高まっていたと報告されているほか、台湾やアイスランドなどからも類似した調査報告があるという。

 では、なぜ片頭痛が心血管病リスクに関係しているのだろうか。これについては、まだ明確には分かっていないようだ。研究グループによると、片頭痛のある人では、ない人に比べて高血圧や肥満、高コレステロール血症などの心血管病リスクを高める要因を併せ持っている場合が多いことが分かっており、このことが片頭痛持ちで心血管病リスクが高い理由とも考えられるという。実際、今回の調査対象の女性でも、片頭痛のある人ではこれらの要因も併せ持っている人の割合が高い傾向が認められたという。ただ今回、研究グループはこれらの要因による影響を取り除いた分析も行っているが、それでも片頭痛は心血管病リスクを高めるとの結果が示され、高血圧や肥満などが多いことだけで関係を説明することができなかったという。

 米国では5人に1人が生涯に1度は片頭痛を経験するとの調査報告がある他、片頭痛に悩まされている人の割合は女性で高く、男性の3~4倍に上るとの報告もあるという。したがって、片頭痛のある女性は心血管病になりやすいのであれば、多くの人々の健康にかかわる問題だ。今回の調査結果を踏まえ、研究グループは「片頭痛のある女性は、心血管病にかかるリスクについても注意すべき。また、片頭痛持ちの人が心血管病にかからないようにするための有効な対策を、今後の研究で明らかにする必要がある」と指摘している。

(あなたの健康百科編集部)