2016年07月14日 06:00 公開

脱毛症治療で髪の毛の「種」大量製造へ

理研、京セラなどが共同研究

 理化学研究所(理研)と京セラ、再生医療ベンチャーのオーガンテクノロジーズは7月12日、再生医療の技術を活用した脱毛症の治療法を開発するため、共同研究を始めると発表した。まだ髪の毛が残っている頭皮から取り出した細胞で髪の毛を生やす「種」を作って100~1000倍に増やし、それを脱毛部分に植えて髪の毛を生やすという治療の実用化を目指す。一度植えれば生涯にわたって髪の毛の生え替わりのサイクルも再現されるという。

2020年の実用化目指す

 現在、脱毛症で悩む人は国内で男女合わせて1,800万人を超える。しかし、脱毛症の治療薬は全ての人に効くわけではない。また、髪の毛が残っている頭皮の一部を切り取り、髪の毛を生み出す「毛包」を脱毛部分に移植する手術(自家単毛包植毛術)も、必要な髪の毛の本数分を切り取るため大きな傷ができ、患者への負担が大きい。毛包が増えることもない。

 こうした従来の治療法に対し、再生医療技術を使った治療では髪の毛が残っている健康な頭皮から少しだけ毛包を採取。傷は最小限に抑えられるという。この毛包から2種類の幹細胞を取り出して「再生毛包原基」という髪の毛の「種」を作る。京セラは、この種を機械で大量に製造するための技術協力などを行うという。なお、理研は既に同じ手法によってマウスの背中に髪の毛を生やす実験に成功している。

 自分の細胞を使って作られた毛包の種であれば、植えても拒絶反応が少ないなどのメリットもあるという。2018年まで研究を行い、2020年以降の実用化を目指すとしているが、もしこれが実現すれば、世界で初めての器官そのものを再生する治療法になるという。ただ、女性の脱毛はまだメカニズムが明らかになっていないため、当面,この治療が受けられるのは男性のみになる見通し。薄毛や抜け毛に悩む女性にも有効な治療法が開発されることに期待したい。

(あなたの健康百科編集部)

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