2016年07月15日 06:00 公開

自宅でOK!思い立ったら「スマホで精液検査」

 初婚年齢の高齢化などを背景に、不妊に悩むカップルが増えている。子供を持つことを望んでいながら妊娠できないと、つい女性の方に原因があるのではないかと考えられがちだが、不妊の原因の半分は男性にある。だから「妊活」を始めるなら、男性も「まずは精液検査」が基本。しかし、「恥ずかしい」「仕事が忙しい」といった理由で病院では検査を受けたがらない男性も多い。そこで男性不妊症を専門とする獨協医科大学越谷病院泌尿器科の小堀善友講師が開発したのが、自宅でスマホを使って精子の数や運動率を調べられる精液検査装置だ。スマホとこのキットがあれば、簡単に自分の精子の姿をはっきりと捉えることができるという。6月24~25日に前橋市で開かれた日本アンドロロジー学会の会合では、この検査装置について同講師が紹介。「低コストで簡単に精子の観察ができ、スマホの画面でカウントした精子の数と運動率は医療機関で採用されている検査装置の測定値に近かった」と報告した。

TENGAが商品化

 病院での精液検査は多くの男性にとってハードルが高い。とはいえ、検査を先延ばしにしていると、年を取るほど卵子だけでなく精子も状態が悪化してくるという。「まずは、病院に行かなくても自宅で簡単に精液検査をできるようにしたい」―そう考えた小堀講師は、1677年にオランダ人の科学者アントニ・ファン・レーウエンフックが発明したボールレンズ顕微鏡と呼ばれる拡大レンズに着目。これをスマホ用に改造し、自宅でも簡単に精子の数や運動率を測定できる検査装置を開発した。

 この拡大レンズは直径が0.8ミリメートルほど。これをスマホのカメラレンズの上にセットする。さらに、スポイトで採取した精液を透明のプレートにたらし、拡大レンズの上に重ねてスマホのカメラ機能を起動。1秒間動画を撮影し、映った精子の数をカウントする仕組み。

 小堀講師は今回、このスマホ検査装置を使って男性50人分の精液を検査し、精子の数と運動率を測定。さらに同じ男性の精液を、医療機関などで採用されている高度な解析装置を使って検査したところ、スマホでも高度な解析装置による検査と遜色のない正確な測定値を得られることが分かったという。

 同講師は「あくまでも自己観察による検査であり、医療機関での検査に代わるものではない」としているが、測定値の正確性はかなり高いようだ。この検査装置は既にアダルトグッズなどで知られるTENGAが商品化し、「TENGAメンズルーペ」として1,543円(税込み)で販売されている(TENGA公式サイト)。

 なお、同講師の公式サイト「Dr.小堀の男の妊活ガイド」には男性不妊の情報がわかりやすくまとめられており、精子の基礎知識を学ぶことができる。さらに、同サイトには精液をスマホで撮影する際のライティングやカウント方法などのコツが紹介されているほか、精子の数を入力するだけで精子の濃度を計算できるフォームも。妊活を考えている男性や、自分の精子の状態が気になる男性は、ぜひチェックしてみてほしい。また、同講師が男性不妊や精子の老化、射精障害といった男性の問題を面白マジメに解説した著書『妊活カップルのためのオトコ学』(小社刊)も妊活中やプレ妊活のカップルにオススメの1冊だ。

(あなたの健康百科編集部)

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