2016年08月01日 06:00 公開

「座り過ぎ」で縮んだ寿命は取り戻せる

「8時間デスクワーク」は「1時間早歩き」で帳消しに

 日常的に座っている時間が長い人は、心臓病や糖尿病、がんなどの病気を発症するリスクが高いだけでなく、寿命も短い―そんな研究結果が近年、相次いで報告されている(関連記事:「座って過ごす時間が長過ぎ」で年間43万人が死亡)。とはいえ、デスクワークが中心のオフィスワーカーにとって、座っている時間を短くすることは難しい。でも、大丈夫。1日8時間座っていたことによって高まった死亡リスクは、1日1時間の運動で帳消しにできることが、ノルウェーのスポーツ科学大学のオルフ・エーケルンド教授らによる男女約100万人のデータ分析から明らかになったのだ。しかも、同教授によると「1時間の運動」のためにスポーツジムに通う必要なく、早歩きやサイクリングで十分だという。この分析結果は7月27日発行の英医学誌「Lancet」(電子版)に発表された。

オフィスワーカーは昼休みの散歩や自転車通勤でリスク減らして

 エーケルンド教授らは今回、北米や欧州、オーストラリア、日本などで実施された16件の調査に参加した45歳以上の男女100万5,791人のデータを分析した。その結果、やはり座っている時間が長いと死亡リスクが高くなることが確認され、特に心臓病やがん(乳がんと大腸がん)による死亡リスクが高まることが分かったという。

 また、1日当たりの運動の強度を「最低(1日5分以下に相当)」「低い(同25~35分)」「高い(同50~65分)」「最高(同60~75分)」の4グループに分けて分析したところ、「最高」のグループでは座り過ぎ(1日8時間)による死亡リスクへの影響は認められず、1日60~75分の運動で座り過ぎによる死亡リスクの増加が帳消しになることが示されたという。

 なお、エーケルンド教授によると、座り過ぎで高まった死亡リスクを帳消しにするために必要な運動は「時速5.6キロメートルの速さで早歩きを1時間」あるいは「時速16キロメートルの速さでサイクリング」に相当するという。同教授は「オフィスワーカーにとって座ることを回避するのは難しい。ただ、そういう人たちほど運動が必要。昼休みに少し散歩したり、朝ランニングしたり、自転車通勤するのも良い。運動の時間は1時間が理想的だが、それが難しい場合には、短時間でも良い。毎日少しでも運動すれば、座り過ぎによるリスクを減らすことができる」と説明している。

 さらに、エーケルンド教授らは今回、「座り過ぎ」だけでなく「テレビの見過ぎ」による影響についても調べた。その結果、テレビを1日に3時間以上見る人は死亡リスクが高いことが分かったという。これについては、同教授は「テレビを見ること自体が死亡リスクを高める直接的な原因というわけではなく、長時間テレビを見る習慣のある人は運動不足で不健康なライフスタイルを送っているために死亡リスクが高まるのではないか」と考察。また、「テレビを見ながらスナックを食べる人が多いというのも死亡リスクを高める要因になっている可能性もある」との見方を示している。

(あなたの健康百科編集部)

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