2016年08月17日 06:00 公開

10分ストレッチで更年期症状が改善

世界初の科学的実証に成功

 45~55歳くらいの更年期女性は、女性ホルモンの減少によって自律神経のバランスが乱れ、心身にさまざまな症状が現れる。緩和策として、特定の飲み物や食べ物などよいと言われているものは多々あるが、科学的根拠のあるものは少ない。そんな中、公益財団法人明治安田厚生事業団体力医学研究所の甲斐裕子博士らの調査で、寝る前に毎日10分間、ヨガを取り入れたストレッチを3週間行うと「更年期症状」と「抑うつ」が改善できることが、世界で初めて科学的に実証されたという。調査結果の詳細は、医学誌「Menopause」(2016;23:827-32)に掲載されている。

仕事で忙しい女性でも気軽に取り組める

 閉経を挟んだ10年間に、顔がほてる、眠れない、疲れやすいといった「更年期症状」を経験する女性は多い。また、更年期女性の約25%が、気分が落ち込む「抑うつ状態」に陥るという調査結果もあるという。

 そんな更年期症状を改善する方法の一つにホルモン補充療法がある。閉経前後に体の中で不足していく女性ホルモンを補ってあげる方法で、飲み薬や貼り薬、塗り薬が使われる。しかし、副作用を心配する女性も多く、日常生活の中で取り組める方法を求める声は強いという。

 これまでに、ジョギングやエアロビクスなど、強度が中程度以上の運動で「更年期症状」と「抑うつ」が改善すると報告されている。しかし、すでに顔のほてり(ホットフラッシュ)がある女性では、激しい運動を行うとホットフラッシュが出やすくなる可能性がある他、更年期の女性の多くは仕事や家事に忙しく、運動のための時間が取れないなどの問題もあった。しかし強度の低いストレッチであれば、ホットフラッシュが出にくく、忙しくても手軽に実行できる。

 そこで今回、甲斐博士らは、何らかの更年期症状のある働く女性(平均年齢51歳)40人を、寝る前に10分間、ヨガの動きを取り入れたストレッチ(写真)を3週間継続するストレッチ群と、通常の生活を送る比較群に分け、更年期症状と抑うつへの影響を調べた。

 その結果、ストレッチ群では3週間後に更年期症状と抑うつ度が正常レベルまで改善していた。一方、比較群には変化が見られなかった()。

 甲斐博士らは「更年期症状の対応策として、一般的によいと言われてきたストレッチやヨガの効果を、科学的に実証できた意義は大きい」と今回の結果を評価するとともに、仕事で忙しい女性を対象としたことに触れ、「寝る前のストレッチは忙しい女性でも実施しやすく、働く女性の健康支援策になるのでは」と期待を寄せた。

(あなたの健康百科編集部)

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